2012年2月7日火曜日

企業の「価値」と「価格」

企業の「価値」とは、評価対象会社から生み出される経済的な便益のことを意味します。

企業の「価格」とは、当該対象会社について買収がなされる際に、売り手と買い手の間で決定される値段のことを意味します。

価値は、対象会社と自身との関係や想定している「取引」等によって様々に変わってきます。

つまり、買い手にとっての価値と売り手にとっての価値、事業を継続した場合の価値と清算した場合の価値、経営権を獲得する場合の価値とそうでない場合の価値等々、様々な場合が考えられます。

現に、入札形式の企業買収においては、これに参加した企業が期待している価値を元に、様々な異なる買収価格の提案が行われています。
企業の価値は一物一価ではなく、一物多価となるのです。
ところが、最終的には、価格は「取引」の中で一つに決まってくる。
したがって、ある価格が買い手にとって魅力的(買い手の価値>買収価格)であっても、売り手にとっては魅力的でない(売り手にとっての使用価値(又は清算価値)>売却価格)ということも、また、その逆も起こりうる。通常は、売り手と買い手の両者にとって魅力的な価格で「取引」は成立します。

しかし、両者の力関係・時間的な制約の有無・経営権の獲得の有無・情報の非対称性等々によって、「取引」において成立する価格が必ずしも、双方にとって魅力的でない場合もあります。
例えば、一方にのみ有利な価格で当事者(経営者)間の合意がなされた場合(つまり、他方の一部の利害関係者(例:一般株主)にとっては不利な場合)、各当事者(経営者)は、取引の公正性を高めるために、敢えて第三者に評価を依頼することがあります。

このような場合、業務自体の受託の可否や外部への評価結果の開示の可否等を含めて、慎重に検討することが必要になる。評価業務の受託に当たって、「取引」の内容とその背景や状況等を十分に理解・検討する必要があるのです。

次に、別の観点から価値と価格の関係を、上場株式の市場価格を例に検討してみることにします。
市場価格は、通常は、市場において売り手と買い手の利害が一致する価格で取引が成立する。しかし、この市場価格ですら必ずしも買い手と売り手にとって適切な価値を表しているとは限りません。
すなわち、仕手筋の介入や買収の攻防戦になった場合には、市場価格は短期間に急騰しますし、公開買付け(以下「TOB」という。)の場合には、買付け価格が市場価格より高くなることもあれば低くなることもあるのです。
市場価格で企業買収を検討したが、企業価値を評価するとその価格での買収は経済合理性がないとの結論に達することもありえます。

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