2012年1月25日水曜日

株価算定とシナジー効果

株価算定におけるシナジー効果(相乗効果)とは、二つ以上の企業ないし事業が統合して運営される場合の価値が、それぞれの企業ないし事業を単独で運営するよりも大きくなる効果をいう。
実務上は特に取引目的の価値評価(裁判目的の価値評価でなく)において、例えば、価格交渉やオークションディール(競争入札の買収案件)において勝ち残るべく買収プレミアムを払う際に、その根拠及び金額的な水準を検討するために分析が行われる。
また、会社法では、株式買取請求権の取扱いにおいて、従来の商法規定から「決議ナカリセバ其ノ有スベカリシ」の語が削除され、単に「公正な価格」が買取価格であるとされ、この変更の解釈としては、シナジー効果分の価値をこの公正な価格に含ませることを可能とする趣旨と説明されることがある。したがって、企業価値評価においては、今後このシナジー効果の取扱いについても、実務上ますます重要になること が想定される。
シナジー効果の種類としては、以下のようなものが考えられよう。

(1) 売上シナジー
クロスセリング、販売チャネル、ブランド効果等。

(2) コストシナジー
営業拠点の統廃合、生産拠点の一部閉鎖、価格交渉力の強化、間接部門費(重複部分)の削減、物流コストの削減等。

(3) 研究開発シナジー
研究開発投資力強化、技術・ノウハウの複合等。

(4) 財務シナジー
他人資本調達コストの削減、他人資本調達余力の増加等。

シナジー効果の測定においては、例えば、株式の買収を前提とした場合には、潜在的な買い手によってシナジー効果の影響額が変わってしまう点に特徴があるといえ る。すなわち、投資対象の経営資源は同一であっても、買い手の有する経営資源や投資先に対する将来像が異なることで、将来にわたって期待されるシナジー効果が変わるという性質を持っている
また、シナジー効果の測定方法はそれぞれのケースの事情や適用している評価アプローチによって異なると考えられるが、例えば、インカム・アプローチのうちフリー・ キャッシュ・フロー法を採用しているケースで、株式の買収時における取引目的の株主価値評価をする場合には、買い手が期待している各種シナジー効果について、 将来の売上高拡大予想額、あるいはコスト削減期待額等を、将来にわたって年度ごとに予測し、年度ごとの増し分キャッシュ・フローの現在価値額を算定することによっ てシナジー効果の額を算定することも考えられる。なお、上表のシナジー効果をフリー・キャッシュ・フロー法において取り込むと仮定した場合、一般的には売上シナジー、コストシナジー、及び研究開発シナジーはキャッシュ・フローに影響を及ぼす項目と考えられ、一方で財務上のシナジーは割引率に影響を及ぼす項目と考えられる。

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また近年は、”同族会社の株式買取請求”の相談に対して、弁護士と共同して問題解決に当たります。
年間数十件(数多くの上場会社を含みます)に及ぶ株価算定業務の経験を通じて蓄積したノウハウに基づき公認会計士・税理士が株価算定書を発行しますので、株式公開審査上や税務上もご安心頂けます。

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株価算定は連結ベースで行うべきか?

株価算定を行う場合に、評価の対象となっているのが連結グループなのか、あるいは単体なのかは重要な問題である。
株主価値を前提として考えると、親会社たる会社の株主は、例えば、配当(インカムゲイン)や株価上昇(キャピタルゲイン)を通じて子会社が獲得すると期待される収益や価値に対して経済的な便益を獲得する権利があり、親会社株式が評価対象会社である場合には、子会社の価値も含まれた連結ベースの評価となるよう留意する必要がある
なお、実務上の一般的な理解としては、上場企業の時価総額においても、子会社の有する価値が含まれていると解釈されていると考えられている。
連結グループ評価をする際の留意事項は、評価法によって異なるが、インカム・ アプローチ、マーケット・アプローチ、ネットアセット・アプローチに共通的な留意点をまとめると、下記のとおりである。
なお、インカム・アプローチに関しては、フリー・キャッシュ・フロー法や残余利益法を念頭においている。配当還元法について は一般的に評価対象会社である親会社の配当額を基礎とする。

(1) 利益ないしキャッシュ・フロー等が連結ベースのものとなっているか。
(2) 子会社の外部持分である少数株主持分が価値から除外されているか。具体的には 利益ないしキャッシュ・フローから少数株主損益が差し引きされているか、あるい は事業価値から少数株主持分(時価ベース)が差し引かれているか。
(3) 持分法適用会社など、連結ベースの利益やキャッシュ・フローには直接取り込まれない会社については、持分法投資損益等の調整を行っているか。あるいは投資価値が事業価値に含まれるような調整がなされているか。
(4) 評価対象会社が多角化している場合には、事業セグメント別の価値を推定し、その合計から企業価値を推定するという評価法を採用する場合もある。事業別の資本コストは、当該事業を営む上場企業の資本コストを参考とし、これによってフリー・キャッシュ・フロー等を割り引くことによって各事業価値を計算する。また、事業別の資本コストを売上高などで加重平均することによって全体的な資本コストを推定し、これを全社的なフリー・キャッシュ・フロー等の割引のために利用することもできる。


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コントロール・プレミアムと非流動性ディスカウント

証券取引所において成立する株価は、一般に、一般株主間の取引によって形成されている。この場合の株価は、当該会社の支配権の移動を伴わない場合の価格である。
TOBやM&A等の取引は支配権に大きな影響があるため、通常の売買価格よりも高くなることが多い
シナジー効果等を反映する追加的な支払額はコントロール・プレミアムと呼ばれる。
コントロール・プレミアムの計算方法に合意されたものはないので、慎重に検討する必要がある。なお、支配権の移転時において、常にコントロール・ プレミアムが生じるわけではなく、実際には、企業支援や救済のために行われるM&Aの場合には、ディスカウントが生じる場合もある
上場会社の株式と比較して、非上場会社の株式の流動性は低い。非上場会社の株式を換金しようとするときには追加的なコストがかかるため、非上場会社の株価は上場会社よりも低く評価される。これは、非流動性ディスカウントと呼ばれている我が国において、非上場会社の評価においては、どの程度の非流動性ディスカウントを見込むべきかに関して合意された水準があるわけではないが、評価の際には類似取引等を参考に考慮する必要がある。なお、非上場会社においては、上場会社と比較して会社情報の入手可能性やその確実性に問題がある場合があるので、特別な対処が必要となる。


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2012年1月23日月曜日

CAPMによる株主資本コストの推定

インカム・アプローチにおける資本コストの推定は以下のとおりである。

評価対象会社が上場会社である場合には、一般に、特定の資産評価モデルを利用して株主資本コストを推定している。実務においては、資本資産評価モデル(Capital Asset Pricing Model)を援用して株主資本コストを推定する場合が多い。このモデルでは、会社の株主資本コスト(ke)は以下のように表される。

--------------------
ke = rf +β・(rm‐rf)
--------------------
ke:株主資本コスト
rf:安全利子率 rm:市場収益率の期待値 β:個別株式のベータ(株式市場全体の利回りに対する個別株式の利回りの連動性の度合いをいう。)

このモデルによって株主資本コストを推定しようとする場合には、安全利子率(リスク・フリーレート)、市場リスク・プレミアム(rm-rf)、個別株式のベータの三つの要素を推定し、この モデルに代入することによって株主資本コストを計算する。
これらに関する情報は、情報提供会社(イボットソン社やブルームバーグ社等)から購入して利用することもできるし、また、自ら推定することも可能である。いずれの場合であっても、安全利子率につい ては長期国債利回り、市場リスク・プレミアムについては過去のリスク・プレミアム(株式市場の収益率と長期国債利回りの差)、会社のベータについては株価及び 株価指数データ等に基づいて推定するのが一般的である。
これらの要素を推定する際には、収益率の計算(日次、週次、月次)、データの収集期間(3年から5年の期間とする場合が多い。)、採用する株価指数の種類などに選択の余地があるが、合意された方法があるわけではない。なお、非上場会社 については、類似した上場企業のベータを利用するなどの工夫が必要となる。

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2012年1月22日日曜日

株価算定における時価純資産法

時価純資産法とは、貸借対照表の資産負債を時価で評価しなおして純資産額を算出し、一株当たりの時価純資産額をもって株主価値とする方法である。すべての資産負債を時価評価するのは実務的に困難なことから土地や有価証券等の主要資産の含み損益のみを時価評価することが多いので、修正簿価純資産法と呼ぶこともある。

(1) 再調達時価純資産法
個別資産の再調達時価を用いて一株当たり純資産の額を算出する方法である。この再調達時価には調達に直接要する費用を含む。個別資産の時価を集計する個別集計法の一つに分類される方法である。この方法による株価等は、企業を新たに取得 することを前提にした価額となる。つまり、新規に事業を開始した場合と同等の価値を算定するという考え方による方法といえる。税効果に関しては、簿価を時価に改めたときの含み益に対する法人税等相当額を控除する方法と控除しない方法がある。なお、実際に含み益のある資産を売却するわけではないため、法人税等を控除することは企業を継続する場合の前提に反するという意見もある

(2) 清算処分時価純資産法
個別資産の処分価額を用いて一株当たり純資産の額を算出する方法である。個別資産の時価を集計する個別集計法の一つに分類される方法である。単に時価純資産 法という場合は、この清算価値時価純資産法を指すことが多い。
解散を前提とする会社の場合は、この評価法が該当する。なお、そのような場合 は前提となる解散の方法によって、より安値の早期処分価額を時価として適用したり、処分コストや弁護士費用その他事務経費も控除する場合がある

(3) その他の純資産法
のれんを評価する方法(超過収益法) 有形資産と無形資産(のれん)を全体で評価して企業価値を算定する。評価対象会社の正常利益を算定し、そこから純有形資産に帰属する投資利回りを控除することによって超過利益を算出する。したがって、評価対象会社の正常利益を算定する ので、インカム・アプローチ的手法を使うのであるが、この方法も純資産法の一種とする考え方がある。



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株価算定における簿価純資産法

簿価純資産法は、会計上の純資産額に基づいて一株当たり純資産の額を計算する方法である。会計上の帳簿価額を基礎とした計算であるので、客観性に優れているが、 各資産の時価は簿価と乖離していることが多いため、簿価純資産法をそのまま企業価値の評価に使用することは少ないと考えられる。

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株価算定における取引事例法

取引事例法とは、評価対象会社の株式について過去に売買がある場合に、その取引価額を基に株式の評価をする方法である。
過去の売買が何度か行われている場合は、基本的に一番直近に行われた売買の取引価額が基本的に用いられる。
この方法を採用する場合は、まず利用する取引事例価額そのものが合理的な方法で評価されているかどうかを検討する必要がある。また、その評価時点以後の経営成績 や財政状態の変動を考慮する必要があるので、その場合には前述の倍率法などの考え方を取り入れて評価する必要がある。

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株価算定における類似取引法

類似取引法とは、類似のM&A取引の売買価格と評価対象会社の財務数値に関する情報に基づいて計算する方法である。M&Aに関するデータを正規に収集する組織・機関が存在しないことから、一般的に利用できることは少ない。
破綻ゴルフ場やパチンコホールなど、特定の業界においては、ある時期に頻繁に M&Aが行われることがある。そのようなマーケットでは、会社更生手続の過程などで競争入札などが行われるケースもあり、ある程度取引額と財務数値が入手できる場合がある。
計算方法や使用する主な財務数値は、倍率法の考え方と基本的に同じであるが、 さらに、シーズン別来場者数、一来場者当たり売上額、店舗面積当たり売上高など、より詳細な財務管理情報を調査し比較することになる。

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倍率の算定に使用する財務数値

類似する上場会社は、1社だけでなく複数選定する。
類似性の高い会社があれば選定する会社は少数でよいと考えられるが、反対に類似性が低い会社しか見つか らない場合は、より多くの会社を選定する必要がある。
倍率の算定に使用する財務数値の代表的なものは次のとおりである。

【倍率の算定に使用する財務数値】
(1) 一株当たり収益指標: 税引後利益 支払利息控除前税引前利益(EBIT)
減価償却費支払利息控除前税引前利益(EBITDA) 売上高
(2) 一株当たり純資産:
  簿価純資産
  時価純資産
(3) 一株当たり配当額

比較のための財務数値は、非経常損益項目を控除したり、会計処理基準の違いを考慮して修正を加える必要がある。また、計算対象期間についても、直近会計年度(単年度)とするのか、あるいは数年間の平均値とするのかも決める必要がある。 なお、上場会社と比較するので、非上場会社の株式の流動性を勘案し、非流動性 相当分のディスカウントをすることも考慮する必要がある。非上場の会社であって も株式上場を全く予定していない会社と上場準備中の会社では事情が異なる。また、上場準備中の会社でもアーリーステージの会社もあれば株式上場直前に差し掛かってきている会社もあるので、それぞれ非流動性ディスカウントの率も異なってくると考えられる。
また、大企業と中小企業を比較する場合は、小規模会社の方が事業の安定性が低いなどの理由から小規模ディスカウントを考慮して評価額を下げることもある。
これらの流動性ディスカウントや小規模ディスカウントをどの程度の率とするかは、一般的に利用できる実証データを求めることは難しいが、企業価値評価においては考慮に入れるべき点である。


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不公正な価額による新株発行に係る差止仮処分申立事件 東京地裁平成6年3月28日決定(判時1496号123頁、判タ872号276頁、資料版商事法務122号168頁)

東京地裁平成6年3月28日決定(判時1496号123頁、判タ872号276頁、資料版商事法務122号168頁)

事案の概要
本件会社は、ラジオ放送事業等を目的として、昭和29年に設立された株式会社であり、資本金は5億円、発行済株式総数は100万株、株主総数は279人である。
本件会社の平成5年3月期の売上高は約412億円に上り、民放ラジオ業界においては、昭和40年以来、売上高第1位を続けてきている。本件会社の業績は順調で、最近は1株当たり60円の配当を継続している。
本件会社は、平成6年1月26日、取締役会において、額面普通株式20万株を1株1万7000円で発行し、取引金融機関等20社に割り当てる旨の決議を行った。その上で、同年3月7日、上記新株発行について、株主総会の特別決議がなされた。
本件会社の発行済株式総数の約13.1%の株式を有し、筆頭株主であるAは、上記新株発行について、「特ニ有利ナル発行価額」によるものであるとして、新株発行差止仮処分を申し立てた。
裁判所の判断

二 発行価額が特に有利かどうかについて
1 まず、本件新株の公正な発行価額の算定方式として、類似会社比準方式が適当であるかどうかを検討する。

(一) 類似会社比準方式を採用するためには、類似会社が存在すること、その選定が適切に行われることが必要である。あまりに厳密に類似性を要求すると、およそこの方式は採り得ないことになるが、少なくとも業種、規模等の基本的な点において、ほぼ同種で、大きな差がない場合でなければ類似会社として取り扱うべきでないことには異論がなかろう
 本件会社は、本件新株の発行価額を決定するにあたっては、中部日本放送、朝日放送、RKB毎日放送を類似会社とする類似会社比準方式に基づく鑑定結果(1万5600円)をひとつの参考数値としていた。しかし、右三社は、同じ放送業であり、企業規模については対比に耐え得ないものではないとしても、本件会社がそれ自体としてはラジオ単営であるのに対し、テレビ単営又はラジオ・テレビ兼営という違いがある。
現在では、ラジオ放送とテレビ放送は、事業として、とくにその情報メディアとしての性格や成長性等において相当に異なり、同種といい得るか疑問のようである。現在では、本件会社も右のような理由により右三社を類似会社と主張せず、本件会社に類似会社は存在しないと主張している(なお、このように価額算定の根拠ないし価額の公正さの説明方法を無定見に変更することが好ましいことではないことはいうまでもないが、公正な発行価額自体は客観的に決められるべきことであるから、右の点はここでは問題にしない。)。また、後述のように、本件会社についてはフジテレビジョンという極めて大規模な会社を子会社としている点も、大きな相違点として、類似会社とみることの障害になると考えられる。

(二) それでは、Aの主張するように、フジ・サンケイグループ各社を一体的に企業集団としてとらえて、東京放送、日本テレビ放送網を類似会社とみるべきであろうか。
なるほど、親子会社については連結決算を見なければ全体的な財務状態を的確にとらえることはできない場合は多いであろうし、企業集団というものがひとつの社会的・経済的実体をもつこと、子会社の資産・経営状態が親会社の株価に影響を与えることは否定し難い事実であろう。しかし、親会社と子会社は、別個の法人格を有しているのであるから、計算は会社ごとに行われるわけで、子会社の資産や収益がすべて親会社の資産・収益になるものではないし、親会社が子会社の全株式を保有する場合でないかぎり、親会社が子会社のために子会社の利益を度外視して自由にこれを支配することも困難と思われる。本件の場合、本件会社はフジテレビジョンの株式約51%を有するにすぎず、また、会社の規模としては、例えば売上高でいえばフジテレビジ
ョンは本件会社の約7倍(平成5年3月決算で約2700億円と約400億円)であるように、子会社の方が圧倒的な規模の大きさを誇っている関係にある。本件会社がフジテレビジョンの資産・利益を完全に支配しているとみて、フジテレビジョンの資産・利益を本件会社のそれと同一視することは、法的にはもちろん、社会的・経済的な観点からも妥当性を欠く面があると考えられる。前述のように、子会社の資産・経営状態が親会社の株価に影響を与えることは事実であろうが、本件の本件会社とフジテレビジョンのような関係にあるとき、例えば市場において双方の株価にどの程度影響していると考えられるか、明らかにした資料は提出されていない。
したがって、本件会社だけでなくフジテレビジョンやポニーキャニオンを含めて一体的に企業集団としてとらえた上で類似会社比準方式を適用すべきであるとのAの主張は採用できないから、右主張を前提として東京放送、日本テレビ放送網が類似会社であるとするAの主張も採用できない。
放送業で上場されているのは、今までに検討した5社以外にはないから、結局、本件会社には類似会社が存在しないことになる。
(三) 略

2 次に、時価純資産方式(Aが第一次的に主張するのは、再調達時価純資産方式のようである)ないし収益還元方式又はこれらの加重平均方式を採るべきかどうかを検討する。

(一) 時価純資産方式にせよ、その一類型というべき再調達時価純資産方式にせよ、会社の純資産の価額を直接的な形で株式の価額の算定基礎とするものであって、株式が会社財産に対する持分としての性格を有していること、商法上も株価の算定について会社の資産状態が斟酌すべき事情の例示として挙げられている場合があること(204条ノ4第2項)などに照らしても、場合によっては有力な価額算定方式たるべきものと考えられる。例えば、会社が解散・清算することが予定あるいは予想される場合や、小規模会社の圧倒的支配株主のように、株主が会社財産について、いわば煮て食おうが焼いて食おうが自由といった類の完全な支配権を有している場合、あるいはM&Aによって会社の支配権を買収しようとする場合などには、適する方式といえるであろう
しかしながら、そうした支配権を有しない一般の株主にとって、会社が継続する限り、いかに会社が含み資産を保有しているとしても、右含み資産の処分利益(あるいは再調達価格相当の利益)は直接取得あるいは支配する現実的可能性のないものであるから、この場合、時価純資産方式によって株価を算定することは、株式に現実的な経済的価値以上の価額を付することになるのであって、妥当とはいい難い
本件会社の場合、解散・清算することなどおよそ予想されない会社であることは当事者双方が認めるところであり、また、本件新株の割当を受ける者らが本件会社の支配権を取得することになるものではないことも明らかであるから、本件新株の公正な発行価額を算定するにあたって、時価純資産方式又は再調達時価純資産方式を採用することは適当といえない。

(二) Aは、非支配株主という概念は、支配株主が存在する場合のものであって、本件会社のように支配株主が存在しない場合、非支配株主であるとの理由で時価純資産方式の採用を否定するのは不当であると主張するが、純資産の価値を直接取得あるいは支配する現実的可能性がないという点は、本件会社のような大会社における持株比率数%といった少数株主一般について、他に支配株主が存在するかどうかに係わりなくいい得ることである。時価純資産方式を採用できない理由は、文字どおり「非」支配株である点にあるのであって、「被」支配株であることにあるのではないと解すべきである。
なお、純資産方式は採用できないが、これによって算定した価額が企業継続を前提として配当還元方式により算定した価額よりも高いときは、会社は株主の利益のために即時に解散されるべきであるから、純資産方式による価額には、株価の最低限を画するという意義があるとする見解もある。しかし、株主が現実的に取得・支配する可能性のある利益を基準と考えて配当還元方式を採りながら、現実的には予定あるいは予想されない解散・清算を前提とするのは、首尾一貫しない態度というべきである。
実際にも、多くの裁判例において、純資産方式による価額は最低限のものとして機能してはないのであって、このことは、右のような見解が、株価の現実的価値を考えるにあたって一般的に受け入れられているものではないことを示しているともいえよう。

(三) 収益還元方式についても、非支配株主にとって直接取得あるいは支配する現実的可能性がない内部留保を株主に帰属する利益と考える点で、純資産方式と同じ問題点を含んでおり、前同様の理由で、本件新株の公正な発行価額を算定する方式としては適切でない。
また、右のような理由で時価純資産方式及び収益還元方式のいずれも本件に適切でない以上、それらの加重平均方式も、当然のこととして、本件に適切ではない。
もっとも、株式が公開される場合、その株価には配当利益だけでなく純資産や内部留保の価額が反映され、その機会に株主はキャピタルゲインを獲得することにはなるであろう(ただし、その場合でも、純資産や内部留保の価額がそのまま株価の上に実現されるものではあるまい。)。したがって、株式の公開が現実の日程に上った場合には、その点を適切に考慮した株価が相当とされるであろう。しかし、このことは時価純資産方式や収益還元方式を採用することとは別のことであるばかりでなく、前述のように、本件会社については株式の公開が現実の日程にまで上っているわけではない

3 以上述べた、類似会社比準方式、時価純資産方式及び収益還元方式が採用し難い理由の反面として、本件新株の公正な発行価額を算定する方式としては、配当還元方式が適切であるといわざるを得ない。そして、配当還元方式の中でも、ゴードンモデルといわれる方式は、収益の内部留保による将来の配当の増加をも計算の基礎に加える点で、より優れていると考えられる。
もちろん、ゴードンモデル方式による算定価額も、種々の仮定や数値の選択に基づくひとつの理論上の価額にすぎないから、有効性に一定の限界はあろう。資本還元率や再投資率、内部留保率の数値の採り方の妥当性については、本件の場合も、議論の余地があるものと思われる。しかし、本件会社のように、類似会社が存在せず、非上場だが、概ね順調な業績を続け安定した配当を行っている大規模会社の非支配株に関する価額算定方法としては、株主が現実的に期待し得る利益を理論的に算定するものとして、さしあたりその相対的な適切さを肯定すべきである。


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損害賠償請求事件 大阪地裁平成15年3月5日判決(判時1833号146頁、判タ1152号247頁、金判1172号51頁)

大阪地裁平成15年3月5日判決(判時1833号146頁、判タ1152号247頁、金判1172号51頁)

事案の概要
本件会社は、大正8年に設立された殺虫剤等の製造販売業を営む株式会社であり、資本金は9660万円、発行済株式総数は193万2000株、純資産額は285円である。
本件会社は、5万8000株(約3%)を所有する株主Aから当該株式を代金10億9794万円(1株当たり1万8930円)で自己株式として買い取ったが、本件会社の株主Bは、当該自己株式の取得は違法なものであるから、自己株式の取得により本件会社に生じた損害について、当該自己株式の取得時の取締役を被告として、株主代表訴訟を提起した。
裁判所は、上記自己株式の取得が違法であり、その当時の取締役に損害賠償責任があることを認定したうえで、損害額について、下記のとおり判示した。

裁判所の判断
(ア) 評価方式は、時価純資産方式による評価額2、収益還元方式による評価額1の各割合で加重平均する併用方式を採用する。
本件自己株式の取引当事者であるA及び本件会社は、共に被告ら○○一族が支配権を有する会社であり、本件自己株式の譲渡は、支配株主間における株式移動にほかならないから、本件自己株式の価格は企業支配株式として評価することが相当であり、評価方式としては、時価純資産方式及び収益還元方式の併用方式によるべきである。そして、本件会社が、その総資産のうちに多額の営業に直接関わりのない資産を有しており、かつ、営業用資産とそれ以外の資産とを明確に区分することができないことを勘案すれば、時価純資産方式による評価に重点を置くことが相当であり、時価純資産方式による評価額2に対し、収益還元方式による評価額1の割合で加重平均することが相当である。

(イ) 時価純資産価額方式による評価額は、1株当たり1万8857円である。
(ウ) 収益還元方式による評価額は、1株当たり5494円である。
本件会社では、価格時点当時、投資計画まで含めた利益計画を策定していないため、将来キャッシュフローの予測が極めて困難であることから、ディスカウンテッド・キャッシュフロー法(DCF法)を採用せず、1株当たりの予想税引後利益を資本還元率で除して1株当たりの評価額を算出する収益還元方式を採用する。
まず、1株当たりの予想税引後利益について、価格時点を含む過去5期間の税引前利益から税負担額を控除した額の平均値によって算出すると、375.8円となる。
次に、資本還元率については、長期利子率に危険負担率(リスクプレミアム)を加算する方法を採用する。そして、長期利子率を過去10年間(平成5年から平成14年まで)の長期プライムレートの平均値により2.63%とし、リスクプレミアムを4.21%(将来収益が不確実であるリスク2.63%に市場性を欠くことによるリスク1.58%を加算したもの)とするのが相当であるので、資本還元率は、6.84%となる。

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損害賠償請求事件 大阪高裁平成11年6月17日判決(判時1717号144頁、金判1088号38頁)

大阪高裁平成11年6月17日判決(判時1717号144頁、金判1088号38頁)

事案の概要
本件会社は、タクシー、貸切バス事業を目的として、昭和33年に設立された株式会社であり、資本金は6500万円、発行済株式総数は10万株である。
本件会社は、株主総会の特別決議を経て、昭和61年8月20日、特に有利な発行価額である1株1000円で、記名式普通額面株式2万株を発行した。
本件会社の株主であるAらは、上記新株発行は会社支配権の確立を目的としたものであり、取締役の任務懈怠・違法行為に当たるなどと主張し、本件会社の取締役に対して損害賠償の請求をした。
裁判所は、上記新株発行について、取締役としての任務懈怠があり、任務懈怠について悪意又は重過失があることを認定したうえで、損害額の算定について、下記のとおり判示した。

裁判所の判断
(一) 株式の適正価格を算定するに当たっては、通常、配当還元方式・収益還元方式・純資産価額方式・類似業種比準方式が適宜採用されている。

(1) 配当還元方式は、会社支配の目的を有しない少数一般株主には適合するが、特定の第三者割当を予定する場合や、本件会社のように配当が経営者の意思によって左右される会社には適合しない

(2) 収益還元方式は、将来各期に期待される利益を一定の利回りで還元計算するものであるが、会社の利益の多くは内部留保されることが多く、利益の増加が直ちに株主の収益の増加に結び付くものではない点で、会社の利益のみを基準とする方式は妥当とはいえない

(3) 純資産価額方式には、帳簿価額による方法と時価による方法とがあり、時価にも会社解散を前提として処分価額と企業継続を前提とする価額とがあるが、新株発行時の適正価額を算出するには、企業継続を前提とした時価を基準として算定するのが相当である。

(4) 類似業種比準方式は、非上場株式の評価方法として広く利用されているが、各業種・規模・利益・配当額等につき標本となるべき企業の選定に困難が伴う
従って、本件においては、純資産価額方式と類似業種比準方式の双方を用い、両方式を一定の比率で按分して株価を算定するのが相当と考える。

(二) 証拠及び弁論の全趣旨によれば、次の事実が認められる。

(1) 昭和59年9月、本件会社が○○に対し新株を割り当てた際、同年3月期(第26期)の決算に基づき類似業種比準方式に従って算定した株価は1株当たり3907円であった。

(2) 本件会社の昭和61年3月期(第28期)の決算に基づき類似業種比準方式に従って算定した株価は1株当たり2617円であった。

(3) 右昭和59年3月期の決算に基づき、公認会計士△△作成の鑑定評価書を基礎に時点修正等を行った後の本件会社の評価後純資産は、次のとおり1株当たり9023円となる。
(ア)~(ウ)略

(4) 取締役らは、純資産価額方式によるときは帳簿価格によるべきで時価に修正評価すべきでないと主張するが、同方式は会社の実質的価値を評価して株価を算定するものであるから、時価評価が可能な場合にはそれによるのが相当である。右主張は採用できない。

(三) 以上のように、本件会社の昭和61年3月期の決算を基礎に株価を算定すると、類似業種比準方式では1株当たり2617円であり、純資産価額方式では1株当たり9023円となるので、前者を2、後者を1の割合で按分するのが相当と認められ、そうすると、1株当たりの株価は4752円となる。


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損害賠償請求事件 東京地裁平成4年9月1日判決(判時1463号154頁、判タ831号202頁、金判927号9頁)

東京地裁平成4年9月1日判決(判時1463号154頁、判タ831号202頁、金判927号9頁)

事案の概要
本件会社は、資本金900万円、発行済株式総数18万株の株式会社であるが、昭和61年10月13日、取締役会において、額面普通株式30万株を、発行価額50円で発行する旨の決議をし、当該30万株の全部を本件会社の従業員で組織する労働組合に割り当てた。上記新株発行については、商法280条ノ2第2項所定の株主総会の特別決議及び同第1項8号所定の取締役会決議はなされていない。
本件会社の株主Aは、上記新株発行は「特ニ有利ナル発行価額」によるものであるにもかかわらず、株主総会の特別決議を経ないでなされた等と主張し、取締役の任務懈怠、労働組合の不法行為を理由に、新株発行により下落したAの株式の価額と新株発行がなかったと仮定した場合に算定されるそれとの差額を損害として、取締役及び労働組合に対して賠償を請求した。
なお、Aが所有する株式数は、1万9300株であり、その割合は、上記新株発行前の発行済株式総数に対しては10.7%、新株発行後の発行済株式総数に対しては4%である。

裁判所の判断
一 争点1(一)について
本件新株発行は、以下のとおり、株主以外の者に対し特に有利な発行価額をもって新株を発行する場合に該当すると認められる。

1 商法280条ノ2第1項8号及び第2項の「特ニ有利ナル発行価額」とは、時価を基準とする公正な発行価額を特に下廻る価額をいうものであり、この場合の公正な発行価額とは、旧株主に経済的損失を与えることのないように新株主に旧株主と同等の資本的寄与を求めながら、新株発行による資金調達という目的を達成することのできる価額、言い換えれば、資金調達の目的が達せられる限度で旧株主にとって最も有利な価額をいうと解するのが相当である。そして、その公正な発行価額は、一般的には、発行価額決定前の株式価格、売買出来高の実績、会社の資産状態、収益状態、配当状況、発行済株式総数、新たに発行される株式数、予想される新株の消化可能性等の諸事情を総合して、旧株主の利益と資本調達の実現という利益の調和の中に求められるべきものである。ところで、本件会社は株式を公開していないから、その株式は上場株式や店頭登録株式のような市場価額がなく、公正な発行価額を定める決定的な資料はないといわざるをえないが、当裁判所は、本件に関する限り、時価純資産方式を基本にしながら、会社の資産状態、収益状態、配当状況、株式の流通性などの修正要素を加味して、公正な発行価額を決定するのが適切であると考える

2 (一)時価純資産方式は、会社資産を時価に評価替えした上、1株当たりの純資産額をもって株価とするものであり、会社に現存する有形無形の財産ないし会社の実体的価値を示す点で優れた評価方式と考えられる。そして、商法が公正な発行価額での新株発行を原則とする理由が、新株主に旧株主と同等の資本的寄与を求めることにあると解する以上は、公正な発行価額すなわち新株主が提供すべき出資額を判断するに当たって、旧株主の出資提供額ないし実質的持分の現在価値を指し示す時価純資産額を基本にすべきことは当然であり、特に、本件では、本件会社所有不動産の価額高騰による含み資産の増加を株式評価の中に反映させる必要がある。

さらに、取締役らは、昭和60年6月から昭和61年11月にかけてAとの間でA保有株式の譲渡、買取りにつき交渉した際、本件会社の株式が創業以来50円以外の価格で取引されたことはないと知っていたにもかかわらず、Aが提示した時価純資産方式による評価額を基礎に売買価額を決定することにつき、何ら異議を差し挟まずに、専ら、右方式を前提とする買受けの可能性を検討したところ、結局は資金不足を理由に買受けを
断念したとの事実が認められ、これによれば、Aはもとより、本件新株発行直前に既に本件会社の発行済株式の40%以上を保有し、最大の株主となっていた労働組合など大多数の本件会社株主は、時価純資産方式の採用には理由があると認識していた事実を推認できるから、右方式による評価は、むしろ、本件会社の実態を反映しているということができる。

(二) 非上場株式の評価方法としては、右時価純資産方式のほか、一般に、ア売買実例方式21、イ配当還元方式、ウ類似会社比準方式、エ類似業種比準方式、オ利益(収益)還元方式、カ時価純資産方式と配当還元方式の併用方式、キ時価純資産方式と類似業種比準方式との併用方式等が考えられるが、本件では、以下の理由により時価純資産方式に優る評価方式は存しない。

(1)〔売買実例方式について〕
本件会社の株式が創業以来本件新株発行まで50円以外の価格で取引されたことがないとしても、右実例のすべてが額面の1株50円を経済的に合理的な株式価値と認識して取引したものとは認められないし、さらに、取締役らが挙げる売買実例における買主はすべて労働組合であり、かつ、本件会社は労働組合によって実質的に支配される極めて閉鎖性の強い会社であることを併せ考えると、売買価格50円による取引実例はいずれも特殊なケースというべきであるから、50円を公正な発行価額ということはできず、他に適切な売買実例は見当たらない。

(2)〔配当還元方式、時価純資産方式と配当還元方式との併用方式について〕
取締役らは、配当還元方式の採用を主張し、鑑定人○○も、本件新株発行直後のA保有株式の株式価格については配当還元方式を採用して、右価格を50円と鑑定しているが、本件会社は、昭和43年から現在に至るまでの20余年にわたり無配の状態が続いており、将来における配当額予想を前提とする右方式の採用は困難というべきである。すなわち、無配が継続している場合、右方式は理論的正当性を持たず、定説と呼べるような株価算定方法も存在しない
また、鑑定人○○は、本件新株発行直前のA保有株式の株式価格については時価純資産方式と配当還元方式との併用方式を採用しているが、本件では配当還元方式の採用が困難であるばかりか、両方式は、依って立つ基盤を異にしており、両方式を併用することは理論的にも正当ではない。

(3)〔類似会社比準方式、類似業種比準方式、時価純資産方式と類似業種比準方式との
併用方式について〕
適切な標本会社ないし標本業種が見当たらず、類似会社比準方式、類似業種比準方式及びこれらと他方式との併用方式を採ることはできない

(4)〔利益還元方式について〕
会社の利益、収益の相当部分は配当に充てられることなく社内に留保されることが多いし、直接株主に利益を与えるものではないから、理論的に正当性があるとは考えられない。

(三)取締役らは、Aが再び経営に参加することは考えられず、時価純資産方式を採用すべき根拠としての経営支配力を欠いている旨主張するが、株式自体の属性としてその性質上当然に経営参加の可能性が否定されるというものではなく、それがAに帰属する限りで経営参加の可能性が乏しいというにとどまり、また、本件において、右方式を採用すべき根拠は経営支配力の点に限られないから、時価純資産方式の正当性は否定されな
い。

(四)したがって、本件では、時価純資産方式を基本的に採用すべきである。
ただし、企業が継続する以上、株式を取得することによって直ちに取得株式割合に応じた時価純資産を直接的に把握できるという筋合いのものではなく、会社解散による清算の時に初めて具体的持分として現れるにとどまるのであるから、時価純資産方式は、継続企業における株式の評価方式として完全な評価方式ということはできない。1株当たりの時価純資産額がいかに高額であっても、会社の資産状態、収益状態、配当状況及びそれらの将来の見通しが芳しくなければ、時価純資産方式による株式価額そのままでは新株引受を期待できず、右のような事情を考慮して減額修正することが必要となる。
また、投下した資本を回収する手段としては、現実には株式を譲渡するよりほかないから、株式の流通性ないし譲渡可能性の程度も当然考慮しなければならず、この観点からも減額修正(▲70%)を施す必要がある。


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譲渡制限株式の売買価格決定申立事件  東京高裁平成20年4月4日決定(金判1295号49頁)

東京高裁平成20年4月4日決定(金判1295号49頁)

事案の概要
本件会社は、平成12年2月8日に設立された株式会社で、デジタルコンテンツ配信事業を営んでいる。
本件会社の発行済株式総数は、6000株であり、その株主構成は、X社が2400株、Y社が3600株で、本件会社はY社の連結子会社である。
本件会社は、設立後さほど年数を経過しておらず、不動産等の含み益のある資産を所有しておらず、これまで配当を実施したこともなく、将来配当を実施する予定もない。
X社は、その所有する本件会社の株式2400株を譲渡するに際し、平成19年3月22日付け書面をもって同会社に承認を求めたが、同会社はこれを承認せず、Y社を買取人と指定した(これによりY社は、発行済株式6000株のすべてを所有することになる。)。

裁判所の判断
(1) 本件会社においては、Y社が過半数の3600株の株式を有し、経営権を有している。他方、本件株式は2400株で発行済株式総数の40%に当たり、その株主は株主総会の特別決議を拒否できるから、本件会社の経営に一定程度の影響を及ぼすことができ、しかも、X社からY社に本件株式が移動することによって、Y社は本件会社を完全に支配することができることになる。したがって、本件株式については、経営権の移動に準じて取り扱い、この場合に用いられる評価方式である純資産方式、収益還元方式を検討すべきである。また、本件会社では、配当を実施したことがなく、将来配当を行う予定はないのであるから、配当還元方式を採用する基礎に欠けていることが明らかである。

(2)


(3) 以上のとおり、本件会社は、創業してさほど年月が経過しておらず、資産に含み益がある不動産等は存在しないこと、ベンチャー企業として成長力が大きく、売上は順調に推移しており、その事業の進展の経緯からすれば、平成18年3月期、平成19年3月期と同様に、その後も同程度の利益が確実に見込まれるものである。以上を考慮すると、純資産方式を採用すると株式価値を過小に評価するおそれがあり、純資産方式は併用することを含め採用するのは相当ではなく、収益還元方式によって評価するのが相当である。


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譲渡制限株式の売買価格決定申立事件 東京地裁平成20年3月14日決定(判タ1266号120頁)

東京地裁平成20年3月14日決定(判タ1266号120頁)

事案の概要
本件会社は、各種繊維工業品、医薬品、化粧品等の製造販売を営む株式会社であり、発行済株式総数は、普通株式2億2641万5057株、A種類株式(議決権のない優先株式)3000万株、B種類株式(議決権のない優先株式)3000万株、C種類株式(議決権を有する利益配当請求権のない株式)1億1513万1500株である。
本件会社は、東証1部上場企業であったが、平成17年6月13日に上場を廃止した。
本件会社は、主要事業として、食品事業、HP事業及び薬品事業の3事業を有していたが、平成18年4月14日、取締役会において、HP事業をX社が出資しているY社に、薬品事業をZ社に、それぞれ営業譲渡する旨の決議をするとともに、食品事業を営む本件会社の子会社の株式をX社に譲渡する旨の決定を行った。
本件会社の株主Aら534名(持株割合は合計約4%)は、上記営業譲渡に反対し、その所有する株式の買取りを請求した。

裁判所の判断
3 本件株式の評価方法
(1) 継続企業としての価値
本件においては、上記のとおり、営業譲渡が行われずに会社がそのまま存続すると仮定した場合における本件会社の株式の価値を評価すべきであるから、基本的に本件会社の継続企業としての価値を評価すべきである。
次に、支配権の移動という観点からの評価が必要か否かを検討する。(中略)Aらがその所有する本件会社の株式を手放したとしても、本件会社における会社の支配権に対して与える影響はほとんど考えられず、本件における買取価格の算定については、支配権の移動という観点から株式価格を表する必要はないというべきである。
以上によれば、本件においては、本件会社の普通株式の価格を算定するに当たっては、専ら、本件会社の継続企業としての価値を評価するという観点から判断手法を選択すれば十分であり、当該判断を覆すに足りる的確な証拠は存在しない。

(2) ディスカウンテッド・キャッシュ・フロー方式の相当性
そこで、当該営業譲渡が行われなかったと仮定した場合における本件会社の継続企業としての価値を評価するについて、どのような評価方法が相応しいかについて検討する。
鑑定人○○の株式鑑定評価意見書によれば、①収益方式(インカム・アプローチ)は、評価対象会社から将来期待することができる経済的利益を当該利益の変動リスク等を反映した割引率により現在価値に割り引き、株主等価値を算定する方式であること、②収益方式の代表的手法として、ディスカウンテッド・キャッシュ・フロー方式(以下「DCF法」という。)があること、③DCF法は、将来のフリー・キャッシュ・フロー
(=企業の事業活動によって得られた収入から事業活動維持のために必要な投資を差し引いた金額)を見積り、年次ごとに割引率を用いて求めた現在価値の総和を求め、当該現在価値に事業外資産を加算したうえで企業価値を算出し、負債の時価を減算して株式等価値を算出して株主が将来得られると期待できる利益(リターン)を算定する方法であることが認められる。
上記認定事実によれば、本件において、継続企業としての価値の評価に相応しい評価方法は、収益方式の代表的手法であるDCF法ということができ、本件会社の株式価格の評価に当たっては、DCF法を採用することが相当である。

(3) 他の評価方式について
ア配当還元方式について
(ア)(イ)略
(ウ(中略)本件会社は、本件営業譲渡の当時、産業再生機構の支援を受けている事業再生途上の企業で、配当を行うことができる状況にはなかったこと、本件会社について一般に妥当とされる配当額を求めることは困難であること、事業再生途上の企業は成長性や成長率が必ずしも明確とは言い難いことが認められる。そうだとすると、本件会社の株式を算定するに当たって、実際配当還元法、標準配当法及びゴードンモデル法のいずれの方式も考慮することは相当ではなく、当該判断を覆すに足りる証拠は存在しない。
(エ)略
イ取引事例方式について
(ア)(イ)略
(ウ)(中略)まず最初に取引量についてであるが、前記前提事実(2)オ及び(3)によれば、本件公開買付で取引の対象となった株式数は2181万4229株であるのに対し、本件買取請求に係る株式総数は合計約677万株(各申立人の所有株式数は100株から145万3100株)であることが認められる。そうだとすると、本件公開買付が
少数株主を対象としている点において、本件買取請求の対象となっている各申立人の所有株式数との間で類似性があるといえないではない。しかし、全体の取引数量を比較すると、本件公開買付によりX社が取得した株式は、各申立人の所有株式の合計の3倍以上の量があり、その株式数も各申立人の所有株式の合計に比べて
1500万株以上も多く、同程度の取引量ということはできないから、前記(イ)bの本件鑑定人の見解に照らし、本件買取請求に関する買取価格を決定するについて本件公開買付の価格を参考とすることは適切とはいえない。
本件会社は、本件公開買付の買付価格の客観性が第三者機関による評価によって担保されていると主張するが、本件鑑定人の判断は十分合理性が認められ、また、上記第三者機関の評価を踏まえた本件公開買付の買付価格が1株162円であり、本件鑑定人の判断である1株360円と2倍以上の開きがあることからすると、上記第三者機関の評価を参考とした結論が採り得ないことは後記で検討のとおりであるので、この点に関する本件会社の主張も採用することができない。
(エ)略
ウ純資産方式
(中略)本件会社の株式を算定するに当たっては、本件会社の継続企業としての価値を算定する観点から判断する必要があるところ、純資産方式は、上記でみたとおり、事業継続を前提とする会社においてその企業価値を評価する方法ではないから、本件ではこの方式を考慮するのは相当ではないということになる。
エ類似会社比準方式
(中略)本件会社は、かつて東京証券取引所第1部に株式を上場していた会社であったし、資本金額も350億9998万5000円であり、鑑定基準日現在でも上場会社に匹敵する規模を有している会社とみることができる。そうだとすると、本件において、類似会社比準方式を考慮することもあながち不合理であるとまではいえないではない。しかしながら、前記前提事実(2)で認定したとおり、本件会社は、最近まで産業再生機構の支援を受けていた事業再生途上の会社であって、このような状況にない上場会社とは経営状況が大きく異なり、本件会社と規模の類似する上場会社を勘案・比較することには問題があることが明らかである。そうだとすると、本件ではこの方式を考慮するのは相当ではないことになる。
(4)小括
以上の検討結果によれば、本件においては、本件会社の株式を算定するに当たっては、継続企業としての価値を評価するという観点から、DCF法に従って評価するのが相当であり、当該判断を覆すに足りる的確な証拠は存在しない。
4本件株式の評価
そこで、本件会社の株式の継続企業としての価値について、DCF法に従って算定する。
まず、本件においては、本件会社の株式をDCF法に従って評価している本件鑑定人の株式鑑定評価意見書、修正意見書、回答書、補充説明書(これらを合わせて、以下「本件鑑定」という。)があるので、これについて概観する。
(1)鑑定人による評価
本件鑑定は、本件会社の株式について、次の方法により評価していることが認められる。

ア 評価方法
本件会社の株式の鑑定評価方法として、DCF法を採用する。
なお、DCF法によって株価を算定する場合における具体的な算定式は、次のとおりである。
(ア)1株当たり株式価値
=事業から得られる将来フリー・キャッシュ・フローの現在価値
÷発行済み株式総数
(イ)事業から得られる将来フリー・キャッシュ・フローの現在価値
=(予測期間中のフリー・キャッシュ・フロー
+予測期間後のフリー・キャッシュ・フロー)×割引率
(ウ)割引率
=資本コスト×資本/(負債+資本)
+負債コスト×(1-実効税率)×負債/(負債+資本)
(エ)資本コスト
=リスクフリー・レート+ベータ値×株式リスクプレミアム
=リスクフリー・レート
+ベータ値×(期待収益率-リスクフリー・レート)

イ フリー・キャッシュ・フロー(以下「FCF」という。)の算定
(ア)事業価値の算定手順(略)
(イ)本件主要3事業のFCFの算定方法(略)
(ウ)その他の事業のFCFの算定方法(略)
(エ)予測期間後のFCFの算定方法(略)
(オ)繰越欠損金の取扱い(略)

ウ 永久成長率(略)

エ 割引率
(ア)リスクフリー・レート
投資が無リスク(リスクフリー)であることを前提とした当該資産の期待率で、分析対象と期間が一致するゼロクーポンの国債レートを使用する。本件会社は継続企業であることが前提であるから、長期国債利子率を使用し、平成18年4月13日時点の新規発行国債(第278回)の利回りである年利1.875%とする。
(イ)ベータ値
本件会社は非公開会社であること、食品事業、HP事業及び薬品事業の3つの事業部門に分かれて事業展開していることに照らし、ベータ値は、各事業ごとに類似上場会社のベータ値は、食品事業が0.677、HP事業が0.598、薬品事業が0.521となる。
(ウ)株式リスクプレミアム(期待収益率からリスクフリー・レートを差し引いて算出)
株式リスクプレミアムは、投資家が株式市場全体に対して期待するリスクプレミアムで、株式市場へ投資することによりリスクフリー・レートを超えてどれだけ高い投資利回りを期待するかを示すものであり、通常、株式市場全体の収益率とリスクフリー・レートの差として表される。株式リスクプレミアムを算定する際には、
一般的により長い期間のヒストリカルデータを用いるのが望ましい
とされている。
本件では、一時的な市場の変動による影響を排除するため、1952年(昭和27年)のデータが異常値と考えられるため、安定したデータであり、かつ、入手可能な長期的なデータとして1955年(昭和30年)から2005年(平成17年)までの統計データ(イボットソン社)を使用し、年8.50%を採用する。
(エ)スモール・ビジネス・プレミアム
このような概念による減価は考慮しない。
※本件鑑定人は、スモール・リスク・プレミアムは売買当事者が価格交渉で使用する調整事項であって、客観的根拠があるわけではないため、鑑定の客観性を担保する観点からこれを採用しなかったことが認められる。
以上のような本件鑑定人の判断は、専門的学識と経験に基づき行った判断として十分合理性があり、本件鑑定に不合理な点はないというべきである。
(オ)資本コスト
以上の結果、資本コストは、食品事業で7.63%、HP事業で6.96%、薬品事業で6.30%となる。
(カ)負債コスト
本件会社独自のクレジットリスクが反映された負債コストを採用する観点から、リスクフリー・レートである1.875%に本件会社の親会社である申立外会社の銀行借入金のスプレッドである3.23%を加算したものを採用する。また、実効税率は基準日における対象会社の税率を基に40.69%を採用する。以上の結果、負債コスト
は3.03%となる。
(キ)最適資本構成
資本負債割合は、業界ごとに類似会社の資本負債割合の平均値を算定しその比率に基づいて資本負担割合を算定する。継続企業である本件会社の資本構成は長期的には類似会社の資本負担割合に収斂していくと予想されるため、資本負債割合は事業ごとに類似会社の資本負債割合の平均値を採用する。
(ク)割引率
したがって、割引率は、撤収事業が5.105%、食品事業が6.66%、HP事業が6.55%、薬品事業で6.06%となる。

オ その他の事項
(ア)非支配株式を理由として減価(マイノリティ・ディスカウント)
このような調整は客観的な根拠があるわけではなく、通常は、売買当事者の価格交渉において使われる調整事項であることを考慮して、マイノリティ・ディスカウントという考え方は採用しない
(イ)市場価格のないことを理由とした減価(非流動性ディスカウント)
事業の合併・買収取引に際して非公開会社を評価する場合、当該会社の株式の流動性の欠如を理由とするディスカウントを加味するのが一般的である。しかしながら、株式買取請求権の制度は、多数株主によって会社から離脱することを余儀なくされた少数株主の経済的損失を保護することを目的としたものであり、少数株主は
株式売却を意図していないにもかかわらず譲渡を余儀なくされたのであるから、株主が進んで株式を売却することを前提とした非流動性ディスカウントを考慮すべきではない



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譲渡制限株式の売買価格決定申立事件 札幌地裁平成16年4月12日決定(判タ1216号274頁)

札幌地裁平成16年4月12日決定(判タ1216号274頁)

事案の概要
 本件会社は、酸素ガス製造等を目的として、昭和4年に合資会社として設立され、その後昭和34年に株式会社に組織変更された会社であって、資本金は8000万円、発行済株式総数は16万株である。
本件会社の株主構成は、次のとおりである。
・東京中小企業投資育成株式会社5万3500株
・合資会社Z(本件会社の代表者が94%の持分を有する会社)5万1300株
・本件会社の代表者の同族関係者3万5700株
・A1万0500株
 本件会社が営む事業の業界は、典型的な独占市場であり、本件会社は、その中で長期安定的な地位を確保し、高い利益率を維持して、内部留保を順調に蓄積してきた。株主に対する配当についても、ここ十数期の毎期、12%(1株当たり60円)の安定した利益配当を継続している。
 Aは、その所有する本件会社の株式1万0500株(6.56%)を譲渡するに際し、平成14年1月28日付け書面をもって同会社に承認を求めたが、同会社はこれを承認せず、自らを買取人と指定した。

裁判所の判断
2 株式の評価方法に関する知見
 非公開株式会社の株式の評価法には、純資産方式、収益方式、配当方式、比準方式、併用方式がある。

(1) 純資産方式
 純資産方式は、企業のストックとしての純資産に着目して、企業の価値、株価等を評価する方式である。この方式は、企業の静的価値の評価であり、貸借対照表をもとに評価するため、その計算が理解されやすく、〔1〕企業が清算手続中である場合又は清算を予定している場合、〔2〕企業経営が順調でなく、利益が少ないか又は赤字体質である場合、〔3〕過去に蓄積された利益に比し、現在又は将来の見込み利益が少ない場合、〔4〕資産の大部分が不動産であり、かつ、清算が容易に行えるような場合に適用される。純資産方式には、簿価純資産法と時価純資産法があり、後者は更に再調達時価純資産法、清算処分時価純資産法、国税庁時価純資産法に分けられる。

(2) 収益方式
 収益方式は、企業のフローとしての収益又は利益に着目して、企業の価値、株価等を評価する方式である。この方式は、企業の動的価値を現し、継続企業を評価する場合、理論的に最も優れた方法である反面、評価が将来収益に全面的に依存しているため、その根拠が不確実となる欠点を持っている。収益方式は、収益を利益として展開する収益還元法と収益を資金上の収入として展開するDCF法(ディスカウンテッドキャッシュフロー法)とに分類される。

(3) 配当方式
 企業の利益処分のフローとしての配当に着目して、企業の価値、株価等を評価する方式である。この方式は、主として少数株主の株式評価方法として用いられる。配当方式には、配当還元法とゴードンモデル法があり、前者は将来の配当に着目して株価を算定する方式、後者は、企業が獲得した利益のうち配当に回されなかった内部留保額についても、再投資によって将来の利益を生み、配当の増加を期待できるものとして、これを加味した株価の算定をする方式である。

(4) 比準方式
 評価の対象となった株式会社(評価会社)と業種、規模等が類似する公開会社(類似会社)又は同じ業種の公開会社の平均とを比較して、会社の価値、株価等を評価する方式である。この方式は、評価の対象となった株式会社が上場企業に匹敵する規模である場合や、実際の売買事例が客観性を持つ場合には有力であるが、そうでない場合は説得力に欠ける面を持っている。比準方式には、取引事例法、類似会社比準法、類似業種比準法がある。類似業種比準法(国税庁類似業種比準法)は、課税の公平性と簡便性の観点から政策的に制定された方式である。

(5) 併用方式
 各種の評価方式を一定のルールで組み合わせて、会社の価値、株価等を評価する方式である。

3 本件における株式の評価方法の選択
 まず、比準方式を本件で採用することの可否について検討すると、本件会社の株式が過去10年間に売買された事例はないから、取引事例法は本件では採用しない。また、評価会社と事業に類似性が認められる公開会社はないから類似会社比準法は採用できず、類似業種比準法は国税庁において課税の公平性と簡便性の観点から政策的に採用されている方式であり、売買を前提とした株式評価に用いるのは相当でないから、いずれも本件では採用しない
そこで、その余の方式について検討すると、株式の売買を相対で行う場合、通常は、いずれか一方の交渉力が他方を上回るのが一般的であるが、本件は、商法の規定により株式の買取価格を決定するものであるから、双方対等の立場で評価すべきである。
そして、売手の立場からは、株式の売買は株主の投資回収の方法であり、主として経済的利益の補償という観点からその算定方式を考慮すべきであるところ、株式の売買は、売手がこれまで顕在的に行使していた利益配当請求権と潜在的に有している残余財産配当請求権を換価するという側面がある。そこで、売手の立場から最も合理的な評価方式は、配当方式と純資産方式の併用方式であり、この方式に差をつける合理的な根拠は見出しにくいため、それぞれの平均値とするのが相当である。
他方、買手の立場からは、静的な評価方式である純資産方式を採用するのは妥当ではない。また、本件株式の買手は本件会社自身であり(自己株式を取得することになる。)、配当を期待するものではないから、配当方式を採用することも相当ではない継続企業の動的価値を現す最も理論的な方法は、収益方式であり、買手の立場からは収益法を適用して評価するのが相当である。評価が将来収益に全面的に依拠しており、その根拠が不確実になる欠点を持っているため、評価会社の過去の財務数値を慎重に検討した上で、買手の立場から収益法を適用して評価するのが合理的である。
以上の売主の立場と買主の立場を総合的に勘案するためには、売主と買主を双方対等の立場にあることを前提として、売主の立場からの相当な評価方式と買主の立場からの評価方式を1対1で評価価格に反映させるのが相当である

そうすると、本件では、全体を1とすると、
配当方式:純資産方式:収益方式=0.25:0.25:0.5
の併用方式を用いるのが相当である。
なお、本件会社は、東京中小企業投資育成株式会社の投資引受価格を基にした株式価格をも、本件株式の算定の基礎とすべきである旨主張する。しかしながら、同社の投資引受価格は、上記2の各株式評価方式と比較して、一般的に客観化された株式評価方式として定着しているとまでは認められないから、これを株式算定の基礎とするのは相当でないというべきである。

4 本件における具体的な算定方式
(1) 配当方式の中では、配当還元法とゴードンモデル法のいずれを採用すべきかが問題となる。配当方式のみで株式の評価価格を算定する場合には、企業が獲得した利益のうち配当に回されなかった内部留保額についても、配当の増加を期待できるものとしてこれを加味するゴードンモデル法を採用するのが相当とも思料されるが、上記のとおり、本件では、配当方式、純資産方式及び収益方式の併用方式を採用する以上、配当方式の中では配当還元法を選択するのが相当である。配当還元法によれば、本件株式価格は600円となる(計算式は、下記のとおりである。)。
(6円(株式の年配当金額)÷10%(割引率))
×(500円(1株当たりの資本金の額)÷50円)

(2) 純資産評価方式の中では、本件においては、資産の含み益の影響を無視することができないため、時価純資産法を採用し、時価純資産法のうち、継続企業を前提とする再調達時価純資産法を用いるのが相当である。

(3) 収益方式の中では、会計上の利益をキャッシュフローとするのではなく、実際の収益をキャッシュフローとするのが、一般には株式の価値を正確に反映することが可能であるから、DCF法(ディスカウンテッドキャッシュフロー法)を採用するのが相当である。


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譲渡制限株式の売買価格決定申立事件  千葉地裁平成3年9月26日決定(判時1412号140頁、判タ773号246頁)

千葉地裁平成3年9月26日決定(判時1412号140頁、判タ773号246頁)

事案の概要
本件会社は、貨物運送業を目的として、昭和48年8月に設立された株式会社であって、発行済株式総数10万4000株、最終の貸借対照表(平成元年3月31日現在)の純資産額1億4075万0566円である。
本件会社の昭和61年3月期から同63年3月期までの売上高及び税込利益の推移は、次のとおりである。配当率については、いずれの期においても15%(1株当たり75円)である。
・昭和61年3月期売上高17億4000万円税込利益4300万円
・昭和62年3月期売上高21億7500万円税込利益6000万円
・昭和63年3月期売上高30億5000万円税込利益8100万円
Aは、その所有する本件会社の株式1万0400株(10%)を譲渡するに際し、平成元年12月15日、同会社に承認を求めたが、同会社はこれを承認せず、Bを買取人と指定した。

裁判所の判断
2 譲渡制限株における株式買取請求の制度は、取締役会が株式譲渡を承認しないために投下資本回収の道を封ぜられることへの救済手段であるから、買取代金額は、譲渡が承認された場合に得られたはずの売買代金額に見合うものであることが理想的である。
しかし、その金額が明らかにされない場合、買取請求者が主張する金額の相当性に疑問がある場合及びなんらかの特別の事情により合理的でない代金額が約定されている場合等には、合理性のある代金額を決定せざるを得ない
この売買代金の算定方式として、純資産価額方式、類似会社(又は類似業種)比準方式、配当還元方式、収益還元方式及び取引先例価格方式などがある。
純資産価額方式には、簿価純資産価額方式と時価純資産価額方式とがあり、前者は、簿価純資産が名目資産であるため、貨幣価値の低下又は地価の高騰などに起因する名目資本と実質資本の乖離が大きい場合や、過去の経営実績が悪かったため繰越欠損金は多額であるが最近の業績は著しく改善されているというような場合には適当ではなく、後者は、企業の純資産を時価に評価替えして総負債を控除するもので、事業継続を前提とする会社の評価については、これのみによることは適切ではないとされる。
類似会社(又は類似業種)比準方式は、比較の対象として適切でかつ取引事例のある会社(株式の取引価格の相場が容易に知られうる会社)の選定が可能な場合に、比準に当たっての修正が適切に行われる限り、合理的な算定方式とされる。
配当還元方式は、将来期待される配当金額に基づいて株価を算定するので、長期にわたる配当の予測を要するが、これが的確になされうる限り、売買当事者が配当のみを期待する一般投資家である場合、最も合理的な算定方式であるとされる。
収益還元方式は、将来期待される当該企業の収益に基づいて算定するもので、経営支配株主又は経営参加株主にとっては適当な算定方式であるとされる。
取引先例価格方式は、市場性のない株式の取引先例が株式の交換価値を適正に反映していることは稀であるとされる。

3 そこで、本件株式の売買価格の算定方法について検討する。
(1)審理の結果によれば、次の事実(「事案の概要」で摘示した事実)が認められる。
(2)右の事実に基づいて考える。

ア 本件会社は、業種としては陸上貨物運送業に属するが、空港に関係のある運送を業とする点で特殊性があり、類似会社比準方式によることは困難である。

イ 本件会社の利益配当率は直近の3年間で一定しているので、会社の業績が年々伸長している事実をもあわせ考えると、将来においても同様の配当率を維持できる公算が高い
したがって、配当還元方式に適する場合であると考えられるが、本件株式数が発行済株式総数の10%に相当することから、譲受人において会社の役員として経営に参加できる可能性もあり、その場合に得られる役員報酬は年額78万円の株式配当金より相当多額となることを考慮すると、配当のみを期待する一般投資家の場合とはやや異なる面がある
したがって、配当還元方式のみによって本件株式の売買代金を決定することは、適当ではない

ウ 次に、本件株式の発行済株式総数に対する割合から会社経営に参加できる可能性がないではないとしても、10%では経営支配株主とはなり得ない場合であり、収益還元方式に適する場合ではない

エ 取引先例方式については、審理の結果によれば、昭和57年4月から同62年3月までの間に本件会社の株主が取締役の承認を得て株式を譲渡した事例が5件あるところ、その売買株数は4000株2例、3000株1例、600株2例であって、売買代金はすべて額面どおりの1株500円であったことが認められるけれども、非上場株で、経営参加も期待できない右の程度の株式数では、新株主は配当に期待する他はないから、額面金額で売買されたのは当然ともいえ、右代金が本件会社の実質資本を考慮した上で決定されたなどの事情は格別うかがわれないから、適切な取引先例であるかどうかは疑わしい
それゆえ、取引先例方式によることはできない。
もっとも、この先例は、経営実績の良好な会社の株式であっても、上場の時期が近いとか特別な事情があって高額で買受ける買主が現れない限り、非上場株式をその客観的価値相当額で売却することは困難であることを示すものといえる。

オ 純資産価額方式は、株式の客観的価値を算定する方法として一定の合理性をもち、買取価額の決定は会社の資産状態その他一切の事情を斟酌して決定すべき(商法204条ノ4第4項)ものとされることからも、買取価格の決定に当たり第一に考慮されるべき方式であるといえる。
そして、本件会社のように資産として土地を保有し、かつ後述するとおり土地の簿価と時価の乖離が著しい場合には、簿価によって資産の価額を算定するのは相当ではないから、簿価純資産価額方式ではなく時価純資産価額方式が適当である。
また、時価純資産価額方式による場合にも、事業継続を前提とする評価であるから、会社の解散を想定して全資産を換価した額から清算所得に対する法人税を控除した額に基づく残余財産分配額によるのは相当ではなく、全資産の評価時点における市場価額によるのが相当である。

カ 譲渡制限株の買取価額は、請求人が現実に手にすることができたであろう売買代金に代わるものであるから、買取価額の決定に当たっては、株式の譲渡が請求どおり承認された場合に請求人が手にすることができたであろう売買代金額を考慮することが必要である。
しかしながら、本件においてAが譲渡の相手方に売り渡した場合の代金額は明らかではないし、Aが本件株式の純資産価値で売却できた可能性を認めるに足りる資料もなく、更に本件会社が近い将来解散して株式の解散価値を現実化する可能性も乏しい。そして、本件株式の所有によって請求人が現実に得た経済的利益が配当金及び役員報酬であることは前述のとおりである。
このような事情を総合すれば、本件買取代金額は、請求人が支払を受けた役員報酬をも配当金の変形とみなした上で、配当還元方式による株式価格と純資産価額方式による株式価格の平均値をもって買取代金額と定めるのが相当である。

4 (1)略
(2)一方、純資産価額については、本件会社が近い将来解散する可能性に乏しい以上、全資産の評価時点における客観的価額から負債を減じたものによるべきであるが、現実に資産の客観的価額を把握することは困難なので、原則として評価基準時に直近の決算期末の貸借対照表に記載された金額によることとし、そのうち簿価と時価の乖離が著しいこと顕著であるところの土地の価額についてのみ鑑定によって認められる客観的価額によることとする。


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譲渡制限株式の売買価格決定申立事件 東京高裁平成2年6月15日決定(金判853号30頁)

東京高裁平成2年6月15日決定(金判853号30頁)

事案の概要
本件会社は、電気計器、測定器の製造販売等を目的として、昭和26年11月に個人企業として創設され、昭和27年7月に株式会社に改組されたものであって、発行済株式総数18万4800株(うち約20%を代表者家族が所有)、資本金9240万円の会社である。
昭和58年6月期における純売上高は約14億円、売上利益は約8200万円、当期利益は約3400万円、株主配当金は約1000万円である。
Aは、その所有する本件会社の株式300株(0.16%)を譲渡するに際し、同会社に承認を求めたが、同会社はこれを承認せず、Bを買取人と指定した。

裁判所の判断
3 そこで、本件株式の価格の算定方式について検討する。
先ず、○○鑑定によれば、本件株式の価格算定に関しては、比較の対象として適切な類似の会社あるいは類似業種の会社は見当たらない、というのであるから、本件においては類似会社比準方式あるいは類似業種比準方式を採ることはできない。次に、本件記録によれば、本件売渡請求の約1年3か月後の昭和59年11月に、株式会社○○銀行及び株式会社△△銀行が、それぞれ本件会社の株式3760株を1株あたり700円で本件会社グループ持株会に売り渡したことが認められるが、右価格が客観的交換価値を適正に反映したものであることを認めるに足りる資料はない。したがって、本件においては取引先例価格方式を採ることはできない。さらに、本件記録によれば、本件売渡請求の直前である昭和58年6月30日現在における本件会社の株式保有割合は、東京中小企業投資育成株式会社26.4%、代表取締役及びその家族20.5%、A14.1%、○○銀行及び△△銀行各7%、専務取締役及びその家族4.9%、従業員その他の株主52名20.1%であることが認められるところ、本件株式は発行済株式総数18万4800株のうち300株であって僅かに0.16%であり、本件株式の譲渡によって本件会社の経営支配権に消長はなく、Aは少数株主にとどまるものであるから、収益還元方式は採ることができない。また、本件記録によれば、本件においては名目資本と実質資本との乖離が著しいことが認められるので、簿価純資産方式によるのは妥当ではない。そうすると、従来提唱されている株式価格の算定方式のうち残るのは配当還元方式と時価純資産方式であるが、前記のとおり、配当還元方式は、売買当事者が配当のみを期待する一般投資家である場合には、最も合理的な算定方式であるとされているのであるから、本件においても、基本的には、この方式によるのが相当というべきであるが、しかしながら、株式の価格の算定にあたっては、株式が配当をもたらすものであると同時に、株式が会社の資産を化体したものとの見方に立って算定することが妥当であるから、この配当還元方式とともに時価純資産方式をも加味して株式の価格を算定することが相当である。けだし、株式は、経済的には株主に配当金をもたらすものであるが、それと同時に法的には会社の資本に対応するものとして会社の資産を発行済株式総数で除した価値を表象するものであるから、株式の価格の算定においてこの点を無視することは相当でないというべきだからである。そして、この株式が会社の資産を化体したものであるという観点に立った場合における株式の価格の算定は、いわゆる時価純資産方式(時価純資産方式のうち処分価格による時価純資産方式によるのが相当である。)によるべきである(ただし、資産の評価差額についての法人税等諸税額相当額を控除すべきである。)。もっとも、この処分価格による時価純資産方式は、事業が継続しているにもかかわらず、会社が解散して清算したと仮定して会社の資産を時価で評価するものであるから、これのみで株式の価格を算定すべきものではなく、配当還元方式の修正要素として適用すべきものである(市場における株式の価格も、単に配当の額によってでなく、含み資産等を含めた当該企業の資産内容によっても左右されるものであることは、公知の事実である。)。

4 ところで、本件記録によれば、(「事案の概要」で摘示した)事実関係のもとにおいては、配当還元方式と時価純資産方式とを7対3の比重で適用して1株当たりの評価額を算定するのが相当と認められる。

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譲渡制限株式の売買価格決定申立事件 東京高裁平成元年5月23日決定(判時1318号125頁、判タ731号220頁、金判827号22頁)

東京高裁平成元年5月23日決定(判時1318号125頁、判タ731号220頁、金判827号22頁)

事案の概要
本件会社は、洋装雑貨の販売及びその附帯業務を目的として、昭和47年1月に設立された株式会社であって、発行済株式総数21万株、資本金1億0500万円の会社である。
本件会社は、昭和57年7月期から昭和61年7月期まで毎期約63億円から約74億円の売上を計上し、約5000万円から約2億9000万円の税引後当期利益を上げ、業界において売上高第1位の地位にある。
純資産額は、逐年増加し、昭和61年7月期における純資産額は約18億円である。
株主配当については、年15~30%の配当を実施している。
Aは、その所有する本件会社の株式1万9000株(約9%)を譲渡するに際し、昭和61年5月23日付け書面をもって同会社に承認を求めたが、同会社はこれを承認せず、B、C及びDを買取人と指定した。指定買取人であるBらは、いずれも本件会社の下請企業の代表取締役である。

裁判所の判断
1 前記認定事実によれば、本件会社は、経営は順調で今後の営業継続に特に問題はなく、近い将来における解散は予想されないこと、Bらの取得する株式は、発行済株式総数に対して合計でも9%に過ぎず、Bらが本件株式の取得により本件会社の経営を支配することはできないことが明らかであり、したがって、本件株式の取得者は、配当金の取得を主たる利益ないし目的とせざるを得ないから、右価格算定に当たって、基本的には配当還元方式を採用するのが相当である。

2 しかしながら、配当還元方式を採用するに当たっては、将来の1株当たりの配当額を的確に算出することは甚だ困難であり、結局は過去の配当額に依存せざるを得ず、必ずしも正確性は期し難い。本件会社においては、前示のような資産額の増加状況からすると、収益の相当割合を社内に留保して資産を増加させることに重点がおかれ、配当額が比較的低く押さえられてきたことがうかがわれる。しかも、配当額は直接的・最終的には支配株主の意思により決定されるが、殊に本件会社のように同族会社的色彩が濃厚で少数者による支配が確立している会社では、右決定は経営担当者や支配株主の経営政策に依拠するところが多く、それ自体不確定要素の高いものである。他方、支配株主が全く恣意的に配当額を定めることは、会社経営の継続を前提とする以上許されず、会社の資産、収益の内容、程度を勘案せざるをえないし、支配株主の意思も不変ではないから、過去の配当額に多くを依拠する配当還元方式のみによることは不十分であり、純資産価額方式及び収益還元方式をも併用するのが相当である。

3 更に、商法204条の2による株式発行会社の株式譲渡の不承認及び譲渡の相手の指定は、当該会社が自己に不利益な株主を排斥するために認められた手段であり、その反面、当該会社の利益のためその限度で株主の株式譲渡の自由に制限を加えるものである。株式を自由譲渡するに当たっては、譲受人の意思がその価格の決定に大きく影響するところ、本件株式数は少数株主権の行使を可能とするものであり、本件会社がAの譲渡予定者を忌避したことは右譲渡予定者が単に配当利益の取得のみに関心を抱くものでないこと、また本件会社とBらとの前示の関係からすると、本件会社代表取締役が将来において本件株式を取得する可能性が少なくはないことが推認される

4 以上の事情を斟酌すると、三方式併用の割合は配当還元方式を6、簿価純資産方式及び収益還元方式を各2とするのが相当である。

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譲渡制限株式の売買価格決定申立事件 大阪高裁平成元年3月28日決定(判時1324号140頁、判タ712号229頁、金判825 号 18 頁)

大阪高裁平成元年3月28日決定(判時1324号140頁、判タ712号229頁、金判825 号 18 頁)

事案の概要
本件会社は、環境衛生及び清掃用資器材、床敷物の製造販売等、多角的な事業を目的として昭和38年2月に設立された株式会社であって、発行済株式総数375万7050株、資本金18億7852万5000円の会社である。
本件会社の昭和60年3月31日現在帳簿上の資産の合計は457億7300万円、昭和59年4月1日より同日までの利益として21億8500万円(経常利益55億4300万円)を計上している。
本件会社の株主は、昭和60年11月30日現在総数2069名であり、その持株数の構成百分率は、同会社役員8.43%、同従業員24.81%、同元従業員12.74%、加盟店23.63%、関係会社21.07%、関係会社従業員1.93%、取引先0.41%、その他6.98%である。
A、B及びCは、その所有する本件会社の株式(それぞれ238株(0.06%)、8725株(0.23%)、9771株(0.26%))を譲渡するに際し、昭和60年10月11日到達の書面をもって同会社に承認を求めたが、同会社はこれを承認せず、D社を買取人と指定した。
なお、D社は、本件会社の企業集団の福利厚生サービスの観点から本件会社の株式を所有し、同会社従業員による株式取得、株式売却等持株あっ旋の役割を有する、いわば従業員持株会的役割を果たしている会社である

裁判所の判断
1 本件は商法204条の4、2項に基づき売買価格を決定するものであって、それは、被指定者が売渡請求をなした時点における会社の資産状態その他一切の事情(ただし株価形成と関係ある要素に限る)を斟酌して、右時点における当該具体的場合における客観的交換価格を非訟手続で形成(確認的測定でなく)するものである。ところで、継続企業は経済的に収益力により成長活動をなす側面と、土地等資産を所有する側面に分かれ、株式の化体する株主権も右に対応して利益配当請求権と残余財産分配請求権に分かれるところ、後記の特段の事情のない限り、一般少数非支配株主が会社から受ける財産的利益は利益配当(特段の事情があるときは会社の純資産価値)のみであり、将来の利益配当に対する期待が一般株主にとっての投資対象と解される。したがって、少なくとも会社の経営支配力を有しない(買主にとって)株式の評価は右将来の配当利益を株価決定の原則的要素となすべきものというべきであるが、他方、現在及び将来の配当金の決定が多数者の配当政策に偏ってなされるおそれがないこともなく、右配当利益により算出される株価が1株当たりの会社資産の解体価値に満たないこともありうるので、多数者と少数者の利害を調整して公正を期するため、右解体価値に基づき算出される株式価格は株価の最低限を画する意義を有するというべく、また、収益力を欠くとき、将来の配当金の予測ができないとき、又は近く、会社の解散・清算、企業ないしは遊休資産の売却の可能性が認められるとき、会社が協同組合的実態を有するときなど特段の事情のある場合は二次的に会社の資産価値(解体価値又は企業価値)を算定要素として使用すべき場合があるというべきである。また、上場を仮定して類似業種、会社の株価に比準して算定することは類似性の確保が困難である。
右観点に立って本件についてみるに、本件会社の実態は右にみたとおりであり、本件申請にかかる株式数はD社の買受けにより、支配株主とならしめるものでないことも前記認定のとおりであるので、本件株式は普通の少数一般株式で将来の配当利益を期待するほか支配的要因など特段の株価形成、要素はないものというほかない。そこで、本件会社の特殊閉鎖性、上場の余地が極めて乏しい特質、本件株式の一般通常性をもとに一件記録にあらわれた各算定方式につき以下検討する。

2 類似業種比準方式としての国税庁長官通達(昭和39年4月25日直資56)による方式
(以下「国税庁方式」という)が○○鑑定において採用され、Aらが本件会社は上場基準をみたす大会社であるため最適である旨主張している。しかしながら、右基本通達は大量発生する課税対象に対し国家が迅速に対応すべき目的で課税技術上の観点から考案された方式で、国家と国民の公権力の行使関係を律する基準であって、本件のように私人間の具体的個別的利害対立下で公正適正な経済的利益を当事者に享受させようとする商法204条の4、2項の理念とは異なるものであるのみならず、標本会社の公表がなく類似性の検証が不可能であり、利益の成長要素が考慮されず、減価率の合理性が疑わしいため、本件のような譲渡制限株式の売買価格決定の単純又は併用方式における根拠方式となることは適当でないという外なく、この点のAらの主張はとりえない

3 収益還元方式については、○○鑑定がこれを併用するが、これは将来各期に期待される1株当たり課税後純利益を資本化率で還元する方式であるが、右方式の純利益のなかには内部留保として新たな設備投資などにつぎこまれ、株主に対し直接経済的利益をもたらさないものが含まれている点、△△鑑定によれば右方式の資本化率が相当でないとされる点など疑問があり少なくとも配当政策等企業経営を自由になしえない本件のような非支配株主の株価算定には適当でない

4 純資産価額方式については、□□鑑定が時価純資産方式を併用しているが、本件において会社の資産価値を算定要素として斟酌すべき前示特段の事情は認められないので、直ちにとりがたく、ただ、株価の最低限値を確認するためを除き、採用すべき理論的根拠に乏しいという外ない。
以上の次第で、本件においては将来の配当利益を算定基礎として評価する方法が最適というべきであって、本件においては、□□鑑定、○○鑑定、××鑑定、△△鑑定が夫々右方法として前二者が単純な配当還元方式、後二者及びAらの試算がゴードン・モデル式による同方式をとっているが、前二者は企業の成長予測が反映されず単純に過ぎ採用できず、結局右利益及び配当の増加傾向を予測するゴードン・モデル式によるのが適当というべきである。

5ゴードン・モデル式による本件株価の算定について
(1)同じくゴードン・モデル式による本件株価の算定についても、右のとおり××鑑定と○○鑑定において各パラメーターの決定方法が異なる。
○○鑑定によれば同式は株価=1株当たり利益/(資本家率-内部留保率)
(i=資本化率、r=再投資利益率、b=内部留保率、D=1株当たり利益)で表され、経営の現状からみて、可能な範囲の内部留保に基礎をおき、そこから利益及び配当の増加傾向を予測して、利益、配当の成長予測の恣意性、飛躍性をさけようとする趣旨であるところ、右rの把握の仕方につき、○○鑑定は右ゴードン・モデルの基本的考え方をそのまま計算過程に移した安定した手法であるに比し、××鑑定は限界自己資本利益率と把握しているが、前者の方が理解し易いといえ、bについても前者は本件会社の具体的数値を基礎に予測しているに比し、後者は業界平均値によっているが前者の方が評価対象の実体に沿うものといえるなどの点に照らし、基本的に○○鑑定の手法によるのが相当である
(2)○○鑑定の手法における各パラメーターの数値と算出
(イ)まず、rの把握につき、○○鑑定は会社が利益をあげるのは自己資本だけでなく借入資金によっても利益をあげうることに着目して、総資本純利益率を基礎とし、これと負債比率を各予測し、内部留保単位1に対する利益率を予測する方法をとり、いわばゴードン・モデルの思考過程をそのまま計算過程に具体化したものであって、合理性があり、さらに外部資本はその金利負担と生み出す利益が相殺され、会社の利益は全て自己資本によるということがいえないので、rの算出式を展開すれば終局的に自己資本に等しいこととなることのゆえに、直ちにrを自己資本利益率としてとらえねばならないものではない。
(ロ)iについては、(中略)別件において◇◇鑑定人は長期国債利廻りを基礎として市場性欠如によるリスク・プレミアム50%、これに対する譲渡制限による同プレミアム10%、さらに中小企業による同プレミアム1410%(対基礎資本化率倍数1.815倍、中小企業による右プレミアムを除いた場合は1.65倍)を加算した数値によっている。
そして××鑑定意見によれば右基礎資本化率を政府保証の長期公社債の応募者利回りによることは通常行われることであることが認められるので、右◇◇鑑定の手法中中小企業によるリスク・プレミアムを加算しない算式(基礎資本化率に対し1.65倍)と、昭和60年10月時の右政府保証長期公社債の応募者利回り6.22%によるのが相当というべきである。



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譲渡制限株式の売買価格決定申立事件 東京高裁昭和63年12月12日決定(金判820号32頁)

東京高裁昭和63年12月12日決定(金判820号32頁)

事案の概要
本件会社は、昭和44年6月24日に不動産の賃貸及び管理等を目的として設立された株式会社である。本件会社の発行済株式総数は1万株であり、その株主構成は、Aが3000株、本件会社の取締役Bが6000株、本件会社の代表取締役Cが1000株を所有していた。
本件会社は、資本金500万円で、その資産は、借地権(約30億円相当)と当該借地上の建物がそのほぼ全てであり、その営業は当該建物を第三者に賃貸することのみであって、直近2年間の年間平均利益額は92万6000円であるが、株主に対して利益配当は実施していない。なお、従業員は全く雇用していない。
Aは、その所有する本件会社の株式3000株を譲渡するに際し、昭和61年12月15日、同会社に承認を求めたが、同会社はこれを承認せず、Bを買取人と指定した(これによりBは9000株(90%)を所有することになる。)。

裁判所の判断
1抗告理由一について
(「事案の概要」で摘示した諸事情を認定したうえ)右認定事実によれば、本件会社は、営業の利益をあげて株主に配当することよりは、むしろ、資産の保有を目的とする色彩の濃いものであるが、ともかくも、会社設立以来19年間にわたって営業を続けてきており、今後直ちに解散して清算するというものではないと認められるから、清算を擬制した純資産価額方式のみによって本件株式の売買価格を決定するのは相当でなく、会社の存続を前提とした算定方式による価格をも斟酌して決定すべきである。したがって、純資産価額方式にのみよって本件売買価格を算定すべきであるとのAの主張は採用することができない。

2抗告理由二について
Aは、Bは本件株式を取得後は、これをいつでも取締役会の承認を得て第三者に高価に売却できる立場にあるのであるから、譲渡制限のあることを理由に本件株式の売買価格を減額することは、Aの犠牲においてBを利得させることになり、不当であると主張する。しかしながら、本件売買価格は、本件株式の売渡請求時における譲渡制限のある状態での客観的価値によって決定すべきものであって、会社の指定した買主が誰であるかといった主観的事情により左右されるべきものではないから、Aの右主張は採用することができない。

3抗告理由三について
Aは、○○株式会社との間で本件株式を1株当たり15万円をもって売買する旨の合意をしているから、その価格をもって本件株式の売買価格とすべきであると主張するが、右合意のあることのみをもって、直ちにその合意価格を本件株式の売買価格とすべきものではなく、他にその合意価格が客観的、合理的なものであると認め得る資料は何もない。したがって、Aの右主張も採用することができない。

4 本件の場合、本件会社に類似した上場会社は見当たらないから、業種、態様の類似する上場会社を選択し、収益、配当、純資産等を比準して株式の価格を算定するところの類似業種比準方式は、これを採用し難く、また、本件会社は、利益配当をしていないから、利益配当還元方式もまた採用し難い。したがって、本件売買価格は、前記の純資産価額方式と収益還元方式を併用して算定すべきであり、本件会社の実態に鑑みると、その併用は、会社の資産に対する持分としての要素を重視し、前者による算定額の7割と後者による算定額の3割をもってするのが相当である。

5 そこで、まず、純資産価額方式により、本件建物と本件借地権の価格合計29億1970万2000円から負債総額6968万円を控除し、さらに清算のため右資産を処分した場合に納付すべき法人税等16億2190万1000円を控除し、その残額を総株式数の1万株で除して、本件株式の1株当たりの売買価格を算定すると、その額は12万2812円となる。
また、収益還元方式により、年間利益額92万6000円を総株式数の1万株で除し、利益率を年10%として、本件株式の1株当たりの売買価格を算定すると、その額は926円となる。
次いで、本件株式が、非上場株式で市場性がなく、かつ、譲渡制限が付されているものであることに鑑み、さらに3割を控除して、本件株式の1株当たりの売買価格を算定すると、その額は6万0372円となる。


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譲渡制限株式の売買価格決定申立事件 福岡高裁昭和63年1月21日決定(判タ662号207頁、金法1201号26頁、金判788号13頁)

福岡高裁昭和63年1月21日決定(判タ662号207頁、金法1201号26頁、金判788号13頁)

事案の概要
本件会社は、明治26年に創業され、昭和38年2月に設立された福岡市中央卸売市場において鮮魚部卸売人として卸売業を営む株式会社である。
本件会社の発行済株式総数は 35万2000株であり、株主数は329名、資本金は1億7600万円である。
本件会社の営業成績は概ね順調であり、売上高は、年間約640~700億円であって、今後とも継続して営業活動を続けることが長期にわって期待できる。
Aは、その所有する本件会社の株式1万1727株(3.3%)を譲渡するに際し、同会社に承認を求めたが、同会社はこれを承認せず、Bを買取人と指定した。

裁判所の判断
1 株式の譲渡につき取締役会の承認を要する場合の株価(売買価格)の決定に関して定める商法204 条の4 第2項によると、裁判所は「会社ノ資産状態其ノ他一切ノ事情」を斟酌して当該株価の決定をなすべきところ、一般には、右株価の算定方法として、ア 類似会社比準方式、イ 純資産価額方式、ウ 配当還元方式、エ 収益還元方式などの方式がある。
ところで、右アは、類似会社の株式の取引相場を基礎にして、配当、利益、純資産を評価対象会社のそれと比較評価する方式であるところ、右類似会社の選定が可能、適切であり、比準に当たっての修正が適切な限り、合理的な算定結果が得られるものといえる。次に、イは、評価対象会社の純資産を基礎に 1 株当たりの純資産額を算出し、それを株式の妥当な取引価額と認める方式であり、純資産の評価については更に簿価によるか時価によるかに大別されるところ、簿価純資産は名目資本であり、実質資本と乖離があれば株価の正しい評価は出来ないうらみがあり、また時価純資産は評価対象会社の清算を前提にして右時価純資産を考慮する点で、事業の継続を前提とする会社の取引株価の決定には不適当な算定方式といえる。更に、ウは、評価対象会社の将来の1株当たりの予想利益配当額を一定の資本還元率で元本である株式の時価を求めるものであるところ、長期にわたる利益配当額の予測が可能であり、かつ、売買当事者が配当のみを期待する一般投資家である限
り、この方式は最も合理性のある算定方式といえる。最後に、エは、評価対象会社の将来期待される 1 株当たりの利益を一定の適当な利回りで資本還元し、元本としての現在の株式価格を算出するものであるところ、実際には現在の多くの会社が利益の多くの部分を内部留保して配当に回さない方針をとっていることを考慮すれば、利益額のみをもって直ちに株式価格の評価をするのは必ずしも妥当とはいえず、とくに非上場会社の非支配的株主の持株の価格を決定するものは配当による収入であり、会社の収益自体は直接には価格決定の要素とはならないことに鑑みれば、本方式は会社の利益処分に決定的な発言力を有する支配的大株主にとっての適切な評価方式ということができる。
2 (「事案の概要」で摘示した諸事情を認定したうえ)売買価格の決定については、営業継続が前提となる本件会社の場合、イの純資産価額方式を採ることは適当でなく、配当のみに期待する非支配的一般的投資家にふさわしい前記ウの配当還元方式を基礎に、その余の方式を修正要素として考慮する態度が最も適切な評価方法ということができる。
3 以上を前提に本件をみるに、原決定の採用した○○鑑定は、同鑑定の結果を含む本件記録によると、鑑定人が本件会社の決算書類、株主及び株式関係書類、増資関係書類、会計帳簿類、課税申告関係書類など一切の関係書類を検討した上で、本件会社の普通額面株式の昭和 61年2月3日以前の最も近い日における1株の価格を、前記アないしエの方式に従いそれぞれ算定し、特にウ方式により算定した株価については、過去3年間における全国銀行貸出約定平均金利と株式を含まない金融資産の平均利回りとの中間値6.23%を資本還元率とし、本件会社の昭和 59 年度決算期になした記念配当のうち株式配当 10%を除外して考慮した過去3年間における同社の平均配当額を65円と算出した上、前者で後者を除して得た 1043 円を基礎に、これに類似会社(3 社)の配当性向と本件会社の配当性向とを比較、修正して、1 株 2325 円の株価を算出している。
すなわち、○○鑑定は、本件株価の算定に当たって、ウ方式の配当還元方式を基礎に据えながら、なおアの類似会社比準方式及びエの収益還元方式において検討した要素のうち配当性向の開きを修正要素として考慮する立場をとり、しかもその際本件会社の取り扱う営業内容の将来における収益力の予想及び本件会社が前記類似会社3社と比較して内部留保利益の比率が高く(この点は将来における収益力の確保、増大につながる要素である。)、その分利益配当の潜在的能力が高いことを加味して修正した上、前記株価の評価をなしているところ、かかる算定態度は前記2で検討した評価方法に沿うもので極めて合理性があり、何ら不当な点も見当たらない。

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譲渡制限株式の売買価格決定申立事件青森地裁昭和62年6月3日決定(判時1272号138頁)

青森地裁昭和62年6月3日決定(判時1272号138頁)

事案の概要
本件会社は、発行済株式総数18万株の株式会社であり、昭和59年6月30日現在の純資産額は8970万6248円である。
Aは、その所有する本件会社の株式約3万株(16%)を譲渡するに際し、昭和59年10月2日及び29日付け書面をもって同会社に承認を求めたが、同会社はこれを承認せず、Bを買取人と指定した。

裁判所の判断
二 そこで、本件株式の売買価格につき検討するに、鑑定人○○○○の鑑定結果によれば、右価格は1株につき金1095 円と認めるのが相当である。右鑑定結果によると、株式の評価方法については、①純資産価額方式、②配当還元方式、③類似会社業種比準価額方式の各方式が考えられるが、本件株式の価格を算定するについては純資産価額方式すなわち一定時点において会社に帰属する一切の財産を時価により評価し、積極財産から消極財産を控除した残額(正味財産)を発行済み株式総数で除した金額をもって評価額とする方法によって評価するのが最良であるとし、その理由とするところは、株式の評価をする場合、株式に包含される権利として利益配当請求権、残余財産分配請求権、議決権などがあるが利益配当請求権は将来の営業利益に左右され、これは又、市況、経営者及び労働者の能力等にかかわるものであって不確定な要素が多く、これをもって株式の評価額を決定することは困難かつ確実性に欠けること、議決権は共益権であり財産的評価に馴染まないことから右権利をもって評価の対象とすることは相当でないこと、残余財産分配請求権については一定時点において会社に帰属する財産(正味財産)の評価であるからその範囲が明確である以上は評価可能であり、その評価は純資産価額方式によって評価するのが最良であるというのであって、右鑑定結果が理由とするところは至当というべきである。加えて、本件記録によれば、本件会社は昭和53年以降株主に配当をしていない無配会社であることが認められ、無配会社については前記配当還元方式による株式の評価は適切でないこと、また、本件会社の特殊性から同種会社を抽出することが容易でなく、前記類似会社業種比準価額方式によることも困難であると思料され、これらの点からも鑑定結果が純資産価額方式を採用したことは相当であると解される。そして、本件記録に現れた資料を総合すると、右鑑定結果において採られた資産評価の方法、演算はいずれも相当であり、その評価額は適正なものと認められる。

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譲渡制限株式の売買価格決定申立事件(判時1247号130頁、金判778号41頁)

京都地裁昭和62年5月18日決定(判時1247号130頁、金判778号41頁)


事案の概要
 本件会社は、昭和51年1月に設立された各種織物製造販売を業とする株式会社であり、発行済株式総数は 1000 株で、○○一族が全株式を所有する同族会社である。
 本件会社の最終貸借対照表上の純資産額は 5億0245万8940円であり、業績が悪化しているものの、立直りが困難と断ずるほど深刻ではない。
 本件会社の株主Aは、その所有する本件会社の株式110株(11%)を譲渡するに際し、昭和60年9月20日付け書面をもって同会社に承認を求めたが、同会社はこれを承認せず、B社を買取人と指定した。
なお、B社は、○○一族が経営する会社であり、本件会社の株式115 株を所有する株主であるが、当該株式は、昭和60年5月24日に、Aから1株当たり43万5225円で買い取ったものである。

裁判所の判断
 2 鑑定人○○○○は株式評価鑑定書において、本件の場合株式の価格は営業の一部の譲渡であると考えるのが適当であるから帳簿価格による純資産価額方式以外の方式を採用するのは適切でないとし、又市場性がないことによる減価率 20%を減ずべきである、として株式価格を算定している。
 しかしながら、継続中の企業の資産の価額は必ずしも企業価値を表示するものではなく、したがって株式の価値を直接明らかにするものではないのであって、純資産価額方式も理論上の一方式とはいえるけれどもその一つにすぎないから、これのみを採用して他の方式を排斥するのは本件の場合適切でなく、又市場性がないとして算定した価額から更に減価するのは、もともと市場価格のない株式の評価をするに当たっては理由のないことといわねばならないし、減価率の数値の根拠も不明というほかない。
 本件においては、前記諸般の事情を斟酌すれば右各方式を併用するのが妥当というべきであって、本件会社が同族閉鎖会社であり、当事者双方が経営支配株主といえること、昭和60年5月24 日には同会社の株式につき当事者間において1株43万5225 円とする売買が成立したことがあることを考慮し、純資産価額、類似業種比準価額、収益還元価額、配当還元価額の割合を 2・1・1・1 とした加重平均値を基準値とするのが相当である。

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2012年1月21日土曜日

類似する上場会社の選定考慮すべき要素

類似する上場会社の選定は、その属する業界など様々な要素を考慮して決める。
この場合、考慮すべき要素を例示するとすれば、以下の項目をあげることができる。

(1) 業界
  同じ業界団体あるいは同種類の産業分野に属しているかどうか。
(2) 取扱商品、サービス
  商品製品やサービスが同種のものあるいは競合するものであるかどうか。
(3) 営業などの許認可関係
  事業を行うために同種の許認可などが必要かどうか。
(4) 事業規模
  売上高や総資産・従業員数などにおいて事業規模が同程度であるかどうか。
(5) 成長性、新規性又は成熟度
  新規ビジネス分野あるいは新規製品を取り扱い、高い成長性が見込める業種かどうか、あるいは、既に成熟産業の分野となっているどうか。
(6) 収益性
  収益性において同程度の会社かどうか。
(7) 地域性
  地域色の強い会社の場合、同地域の経済環境にある会社かどうか。
(8) 事業戦略
  M&Aを多用するなど事業拡大戦略などが似通っているかどうか。


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株価算定における類似上場会社法

類似上場会社法とは、上場会社の市場株価と比較して非上場会社の株価算定する方法である。
倍率法、乗数法ともいわれる。

類似上場会社法は、以下のステップで計算する。
(1) 類似する上場会社を選定する。
(2) 選定した上場会社と評価対象会社の一株当たり利益や純資産などの財務数値を計算する。
(3) 両社の財務数値を比較し、その指標の倍率を計算する。
(4) 選定した上場会社の市場株価に倍率を掛けて評価対象会社の株価を算出する。
類似する上場会社の選定は、その属する業界など様々な要素を考慮して決める。

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株価算定における市場株価法

市場株価法は、証券取引所や店頭登録市場に上場している会社の市場価格を基準に評価する方法である。
マーケット・アプローチの典型的な株価算定法であり、株式取引の相場価格そのものを基準に評価を行う。市場相場のある上場企業同士の合併 比率や株式交換比率の算定に利用される。
例えば、A社とB社の合併比率を決める場合に、特定時点の取引所の両社の取引株価を比較して決定する。
比較する株価は、合併の公表をする直前の日の終値、あるいは一定期間の終値の平均値などを基に算出する。当該期間中に取引高が異常に 多く、株価が乱高下した場合には、出来高で加重平均する方法もある
また、逆に取引が少なく、売買が成立していない場合は、気配値又は、直近売買成立日の価格を使用することもある。
上場会社の合併比率を計算する場合はいずれの会社も市場価格があり、評価においてこれを無視することはできないと考えられる。


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株価算定におけるインカム・アプローチ適用上の留意点

株価算定におけるインカム・アプローチ適用上の留意点
株価算定法を適用するに当たって考慮すべき点を列挙する。

1.将来キャッシュ・フロー等の予測の際の仮定 将来のキャッシュ・フロー等を予測する際におかれる各種の仮定は矛盾しないものでなくてはならない。
株価算定の前提とする仮定を明示し、それらを積み上げることによっ て株式評価に必要な一連の予測値が得られるので、仮定の一つが矛盾する場合には、予測値は全体として説明がつかないものとなる。また、複数の方法を適用し、結果 として計算される価値の差が、どのような仮定の相違から生じているのか検討することにより、有用な示唆が得られる場合がある。

2.将来キャッシュ・フロー等の予測期間
将来無限にわたるキャッシュ・フロー等を正確に予測することは不可能であるため、実務においては、ある時点以降のキャッシュ・フロー等については単純な仮定をおいて終価を計算する。その場合に、予測期間をどの程度の長さにするかが問題となるが、この長さは終価の計算において利用する単純化の仮定が肯定できるよう に、企業が何らかの定常的な状態にいたるまでの期間とするべきである。

3.加重平均資本コストにおけるウェイト
加重平均資本コストにおけるウェイトは、負債価値と株主資本価値によって計算される。その決定方法には、目標とする資本構成を参考にする方法や事業価値とウェイトを同時決定する方法がある。後者は、ウェイトに利用する株主資本価値と評価価値である株主資本価値を整合的なものにする方法である。エクセルの関数の設定で対応可能です。

4.評価過程における負債価値
株価算定の過程において負債価値を利用する際に、簿価をもって時価に置き換えるケースがあるが、倒産可能性が高い場合には、簿価と時価の乖離幅が大きい。その場 合には、実質的な負債価値を検討する必要がある。
また、調整現在価値法などにおいて、負債水準が大きく変動することを想定する場合には、倒産可能性に配慮してその期待コストを評価に織り込む必要がある。

5.資本構成の変化
資本構成の変化は、財務リスクの変化を生じて株主資本コストを変化させる。それゆえ、将来における資本構成の変化が予想される場合には、株主資本コストに反映する必要がある。

6.非事業資産が存在する場合の加重平均資本コストの計算
非事業資産が存在する場合には、加重平均資本コストの計算において、これを考慮する必要がある。

7.オプション理論
リアルオプションとは、金融オプションの評価技法を実物投資に応用するもので ある。経営においては、時間の経過とともに多様な不確実性が解消し、戦略的な意思決定をすることが可能となる。このような企業経営における柔軟性は、重要なオプション価値を有する場合があり、これを適切に評価しないと事業価値あるいは株 主価値を過小評価する場合がある。保有するオプションは、利益あるいはキャッシ ュ・フローを適切に予測すれば、推定される事業価値あるいは株主価値に含まれる はずであるが、可能な場合にはリアルオプションそのものの価値を評価することを検討するべきである。

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株価算定における利益還元法

利益還元法は、会計上の純利益を一定の割引率で割り引くことによって株価算定する。一般的に収益還元法と呼ばれている。純利益を割り引く際の割引率を株主資本コストとすると、一般には、配当還元法やフリー・キャッシュ・フロー法で計算される価値とは矛盾する計算結果となる。これらと整合的になるの は、会計上の純利益が配当額や株主帰属フリー・キャッシュ・フローと等しい場合に限られるため、それ以外の場合に、rをどのような水準にするのかが問題となる。割引率を、類似企業の値を参考として決定する場合には、インカム・アプローチではなく、マーケット・アプローチにおける類似上場会社法に対応するも のであると考えられる。


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株価算定における配当還元法

株主への直接的な現金支払いである配当金に基づいて株価算定する。
この方法においては、株主における直接的な現金の受取額である配当金の期待値を 割り引くことによって株主価値が直接に計算される。
例えば、多額の欠損が生じているために当面において配当できない企業、配当が見込めない成長企業については株価算定が困難であり、また、配当が低位安定しているような企業は過小評価しやすい。
配当政策の影響を受けやすいことが特徴である。
また、企業成長に伴う配当成長を予測する評価法としてゴードンモデル法と呼ばれる場合がある。

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株価算定における残余利益法

残余利益法は、評価時点において、営業活動に利用している総資産簿価に将来における営業残余利益の期待値の現在価値合計を加えることによって事業価値を算定する。
この方法は、税引後営業利益を利用した方法であるため、会計上の利益の予測値と関連付け ながら評価することができるという特徴がある。
残余利益法における終価は、n+1期以降の残余利益が定額であると仮定したり、競争圧力によって残余利益はゼロになると仮定するなど、多様な仮定の下で推定さ れる。フリー・キャッシュ・フロー法や配当還元法と比較して、評価結果に対して 終価が相対的に少額になるため、終価の予測における不確実性の影響が小さいとい われる。なお、この方法は、予測が整合的である限り、フリー・キャッシュ・フロー法と同額の事業価値を計算する。
株主価値を計算する場合には、株主資本簿価と株主に帰属する残余利益の現在価値合計を計算する。終価については、上述と同様である。
営業残余利益は、正常な利益(=期首(前期末)営業資産簿価×加重平均資本コスト)を上回る利益である(下回る場合もある。)。
この方法で計算される価値は事業価値なので、フリー・キャッシュ・フロー法と同様に、株主価値を計算するためには負債価値や非事業資産等に関して調整する必要がある。



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2012年1月12日木曜日

類似会社比準価格の算定基準 類似会社比準法

類似会社比準価格の算定については、以下に定めるところによるものとする。
1 類似会社の選定
類似会社(新規上場申請者の株式の発行価格又は売出価格の算定の基礎とすることが適当な会社をいう。以下同じ。)については、国内の証券取引所に上場されている株券の発行者のうちから、次の各号に掲げる事項並びに株価(優先出資証券にあっては、優先出資証券の価格をいう。以下この別添1において同じ。)の形
成及び株券の流通面を総合的に勘案し、原則として2社以上(当取引所が選定した会社1社以上を含む。)を選定するものとする。
(1) 主要事業部門又は主要製品
(2) 部門別又は製品別の売上高構成比
(3) 業績及び成長性(1株当たり(優先出資証券の発行にあっては、1 口当たりと読み替える。)の純利益額及び純資産額、売上高及び純利益等の伸び率等)
(4) 企業規模(売上高、純利益額、総資産額、純資産額、発行済株式総数等)
(5) その他(地域性、販売形態、販売系列等)

類似会社比準価格は次の算式により算定した価格とする。

類似会社比準価格=類似会社株価×1/2 (新規上場申請者の1株当たり純利益額/類似会社の1株当たり純利益額+新規上場申請者の1株当たり純資産額/類似会社の1株当たり純資産)


(1) 1株当たり純利益額及び純資産額について
a. 1株当たり純利益額は、損益計算書における直前事業年度の税引後当期純利益額に基づき算出する。
b. 1株当たり純資産額は、貸借対照表における直前事業年度の純資産の部の額に基づき算出する。

(2) 類似会社が、直前事業年度の末日の翌日以後増資等により発行済株式総数(優先出資証券にあっては、優先出資法に規定する普通出資の総口数と優先出資の総口数を合計した数と読み替える。)
に増減があった場合の当該会社の1株当たりの純利益額及び純資産額の修正について
a. 1株当たり純利益額は、純利益額を増減後の発行済株式総数で除して得た額とする。
b. 1株当たり純資産額は、直前事業年度の末日の純資産額に増資等による増減後の純資産額を増減後の発行済株式総数で除して得た額とする。

(3) 新規上場申請者が、直前事業年度の末日の翌日以後増資(上場申請日から上場日の前日までの期間における株券の公募を除く。)等により発行済株式総数に増減があった場合の当該会社の1株当たりの純利益額及び純資産額の修正について
a. 1株当たり純利益額は、純利益額を増減後の発行済株式総数で除して得た額とする。
b. 1株当たり純資産額は、増減後の純資産額を増減後の発行済株式総数で除して得た額とする。

(4) 前2号の発行済株式総数に増加があった場合には、新株予約権若しくはこれに準ずる権利又は転換請求権が存在する場合を含むものとする。この場合における1株当たり純利益額及び1株当たり純資産額は、前2号に規定する算出方法にかかわらず、財務諸表等規則第 95 条の 5 の 2 第 2 項に規定する潜在株式調整後の1株当たり純利益金額の算出方法その他の合理的な算出方法により算出した金額とする。

(5) 異常な特別損益等により税引後当期純利益額を採用することが適当でない場合又は最近数年間における業績に大きな変動が認められるなど、第1号により難い場合には、合理的な方法によることができる。

(6) 類似会社の株価について
原則として、最近1か月の単純平均株価とする。ただし、市況等により株価変動の著しい銘柄については、相当と認められる期間の単純平均株価を採用することができる。

(7) 類似会社の数値について
類似会社の株価、1株当たりの純利益額及び純資産額については、原則として各類似会社の数値を単純平均した数値とする。

3 その他
算定された類似会社比準価格が異常と認められる場合又は前2項により算定することが困難な場合には、他の合理的な方式により算定できるものとする。


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2012年1月11日水曜日

株価算定におけるDCF法

DCF法は、将来に生み出すと期待されるキャッシュ・フローに基づいて評価対象会社の価値を評価する。
Discounted Cash Flow法の略で、ただDCFとだけいう場合も多い。
ここで、TVはn+1期以降のフリー・キャッシュ・フローを第n期末時点に割り引い た価値であり、ターミナル・バリュー(終価)と呼ばれる。
このように、適用段階 においては、第n期までのフリー・キャッシュ・フローを詳細に予測し、その後の フリー・キャッシュ・フローの価値は、比較的単純な仮定の下でターミナル・バリ ューを評価する。ターミナル・バリューを評価する際の仮定には、例えば、n+1期 以降における毎期のフリー・キャッシュ・フローについて、一定と仮定する場合や 期待インフレ率で成長すると仮定する場合などが多い。
また、ここで計算されるのは、企業価値(ここでは事業価値と同額である)であ るため、株主価値を計算する場合には、企業価値から負債価値(有利子負債の時価) を控除する必要がある。
この方法とは別に、普通株主に帰属するフリー・キャッシュ・フローを割り引くことによって、株主価値を直接的に計算する場合もある。

事業価値を計算する場合には、将来の営業フリー・キャッシュ・フローの期待値 を加重平均資本コストで割り引いた現在価値の合計を計算する。ここで、営業フリー・キャッシュ・フローは、税引後営業利益に減価償却費を加え、投資支出を控除 し、さらに運転資本増加(減少)額を控除(加算)することによって計算される。
営業フリー・キャッシュ・フロー
=営業利益×(1-τ)+減価償却費-投資支出±運転資本増減額
ここで、τは事業活動による課税所得に対する限界税率(又は実効税率とする場合が多い。)である。 また、加重平均資本コストは、株主資本コスト(ke)と負債資本コスト(kd・(1-τ))
を、株主資本価値(E)と負債価値(D)によって加重平均することによって計算される。
この資本コストは税引後段階での要求収益率であり、分子のフリー・キャッシュ・フローが税引後営業利益から計算されることと対応している。
将来キャッシュ・フローは、通常、一定期間(第n期まで)について詳細に見積 もり、それ以降については、比較的単純な仮定の下で終価を計算する場合が多い。 その場合、n+1期以降については、毎期のフリー・キャッシュ・フローを一定と仮 定したり、インフレ率で成長すると仮定するなど、単純な仮定をおく。この場合、どの程度の期間について詳細な予測をするべきかが問題となるが、基本的には、終 価を単純な仮定の下で推定しても誤差が大きくならないと予想される期間であり、 画一的に定められるものではない。
この方法で計算した事業価値から普通株式の株主価値を算定するためには、事業 価値に非事業資産価値を加算し、そこから有利子負債価値や優先株式等の価値を控 除する。これらの調整項目は時価によるべきであるが、時価が利用できない場合に は、推定される現在価値や簿価によって代替する。
株主価値を直接的に計算する場合には、株主に帰属するフリー・キャッシュ・フローの期待値を株主資本コストで割り引く。株主に帰属するフリー・キャッシュ・フローは、営業フリー・キャッシュ・フローから債権者等の普通株主以外の資金提 供者へのキャッシュ・フロー、すなわち、有利子負債の純返済(返済マイナス借入 れ)や優先株主へ支払などを除いたものである。



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株価算定における折衷法

折衷法とは、複数の評価法を適用し、それぞれの評価結果に一定の折衷割合(加重平均値)を適用する方法である。
インカム・アプローチ、マーケット・アプローチ、ネットアセット・アプローチのそれぞれのアプローチに属する複数の評価法を選択し、各評価法の結果に一定の折衷 割合を適用して総合評価を行う方法である。折衷法は、評価結果により差異が生じ、 いずれかの評価法を加重平均した方が妥当なケースにおいて適用しやすい方法である。
折衷割合に関しては、評価人の合理的な判断によることになる。

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株価算定における併用法

様々な株価算定方法は、優れた点を持つと同時に様々な問題点をも有している。同時に相互に問題点を補完する関係にある。
評価対象会社をインカム・アプローチ、マーケット・アプローチ、ネットアセット・アプローチのそれぞれの視点から把握し、評価対象会社の動態的な価値、あるいは静 態的な価値について多面的に分析し、偏った視点のみからの価値算定にならないよう 留意する必要がある。そして、それぞれの評価結果を比較・検討しながら最終的に総 合評価するのが実務上一般的である。

併用法とは、複数の株価算定方法を適用し、一定の幅をもって算出されたそれぞれの評価結果の重複等を考慮しながら評価結果を導く方法(ここでは、「重複幅併用法」と呼 ぶことにする。)である。
インカム・アプローチ、マーケット・アプローチ、ネットアセット・アプローチの それぞれのアプローチに属する評価法を複数選択し、各評価法の結果を比較・検討し、 最終的な評価額を算定する方法である。
それぞれの評価法による算定結果に重複する ところがあれば、その金額を目安とするケースも実務上ある。また、併用法は、それぞれの株価算定方法による結果が近い場合に適用しやすい。




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2012年1月9日月曜日

類似上場会社や類似取引事例が無い場合のマーケット・アプローチによる株価算定

類似上場会社のない新規ビジネスで、類似上場会社が存在しない、あるいは類似取引事例がないようなケースにおいては、マーケット・アプローチによる株価算定には限界があるといえよう。類似した商品・製品を取り扱っていても、事業のコンセプトやビジネス モデルが全く異なる場合にも、旧来の企業とは収益性やリスクが異なることが考え られ、マーケット・アプローチを適用することによって誤った株価算定になる可能性がある点に留意すべきである。



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知的財産等に基づく超過収益力を持つ企業と株価算定方法の選定

知的財産等に基づく超過収益力を持つ企業に対してネットアセット・アプローチで株式の評価を行う場合には、貸借対照表における純資産を基礎として評価するため、貸借対照表に計上されていない無形資産や知的財産等が価値の源泉の大半であるような企業が評価対象である場合には、ネットア セット・アプローチではこうした価値が評価されない可能性がある。したがって、超過収益力等を価値評価に反映させやすいといわれるインカム・アプローチなどの 評価アプローチの選定を検討すべきである。


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会社の継続性と株価算定方法の選定

会社の継続性に疑義があるようなケースでは、インカム・アプローチやマーケット・アプローチは一般的に会社の継続を前提とした価値評価であるといわれており、評価対象たる企業の継続性に疑義があるようなケースにおいては、こうした評価アプローチを適用することには慎重であるべきである。

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ライフステージと株価算定方法の選定

成長基調にある企業か、安定した業況にあるか、あるいは衰退基調にあるかといった評価対象会社のライフステージは株価算定方法の選定に影響を与える。

成長企業であれば、(その成長可能性の確度にもよるが)ネットアセット・アプ ローチによる株式評価は企業のもつ将来の収益獲得能力を適正に評価しきれない可能性もあり、過小評価につながる可能性がある。

一方で衰退基調にある企業で収益性の低い企業(かつ減損会計等を適用していない企業等)では、場合によっては ネットアセット・アプローチによる株式評価が過大評価となってしまう可能性にも留意すべきであろう。



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ネットアセット・アプローチによる株価算定法の種類

簿価純資産法
時価純資産法(修正簿価純資産法)


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マーケット・アプローチによる株価算定法の種類

市場株価法
類似上場会社法(倍率法、乗数法)
類似取引法
取引事例法(取引事例価額法)


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インカム・アプローチによる株価算定法の種類

フリー・キャッシュ・フロー法
調整現在価値法
残余利益法
配当還元法 利益還元法(収益還元法)

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ネットアセット・アプローチによる株価算定の意義

ネットアセット・アプローチによる株式評価では、帳簿上の純資産を基礎として、 一定の時価評価等に基づく修正を行うため、帳簿作成が適正で時価等の情報が取りや すい状況であれば、客観性に優れていることが期待される。

一方、一時点の純資産に基づいた価値評価を前提とするため、のれん等が適正に計上されていない場合には、
将来の収益能力の反映や、市場での取引環境の反映は難しいといえる。


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マーケット・アプローチによる株価算定の意義

マーケット・アプローチは第三者間や市場で取引されている株式との相対的な評価アプローチであるため、市場での取引環境の反映や、一定の客観性には優れているといえる。

一方で他の企業とは異なる成長ステージにあるようなケースや、そもそも類似する上場会社が無いようなケースでは評価が困難で、評価対象となっている会社固有の性質を反映させられないケースもあるといえる。


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