2012年1月25日水曜日

株価算定とシナジー効果

株価算定におけるシナジー効果(相乗効果)とは、二つ以上の企業ないし事業が統合して運営される場合の価値が、それぞれの企業ないし事業を単独で運営するよりも大きくなる効果をいう。
実務上は特に取引目的の価値評価(裁判目的の価値評価でなく)において、例えば、価格交渉やオークションディール(競争入札の買収案件)において勝ち残るべく買収プレミアムを払う際に、その根拠及び金額的な水準を検討するために分析が行われる。
また、会社法では、株式買取請求権の取扱いにおいて、従来の商法規定から「決議ナカリセバ其ノ有スベカリシ」の語が削除され、単に「公正な価格」が買取価格であるとされ、この変更の解釈としては、シナジー効果分の価値をこの公正な価格に含ませることを可能とする趣旨と説明されることがある。したがって、企業価値評価においては、今後このシナジー効果の取扱いについても、実務上ますます重要になること が想定される。
シナジー効果の種類としては、以下のようなものが考えられよう。

(1) 売上シナジー
クロスセリング、販売チャネル、ブランド効果等。

(2) コストシナジー
営業拠点の統廃合、生産拠点の一部閉鎖、価格交渉力の強化、間接部門費(重複部分)の削減、物流コストの削減等。

(3) 研究開発シナジー
研究開発投資力強化、技術・ノウハウの複合等。

(4) 財務シナジー
他人資本調達コストの削減、他人資本調達余力の増加等。

シナジー効果の測定においては、例えば、株式の買収を前提とした場合には、潜在的な買い手によってシナジー効果の影響額が変わってしまう点に特徴があるといえ る。すなわち、投資対象の経営資源は同一であっても、買い手の有する経営資源や投資先に対する将来像が異なることで、将来にわたって期待されるシナジー効果が変わるという性質を持っている
また、シナジー効果の測定方法はそれぞれのケースの事情や適用している評価アプローチによって異なると考えられるが、例えば、インカム・アプローチのうちフリー・ キャッシュ・フロー法を採用しているケースで、株式の買収時における取引目的の株主価値評価をする場合には、買い手が期待している各種シナジー効果について、 将来の売上高拡大予想額、あるいはコスト削減期待額等を、将来にわたって年度ごとに予測し、年度ごとの増し分キャッシュ・フローの現在価値額を算定することによっ てシナジー効果の額を算定することも考えられる。なお、上表のシナジー効果をフリー・キャッシュ・フロー法において取り込むと仮定した場合、一般的には売上シナジー、コストシナジー、及び研究開発シナジーはキャッシュ・フローに影響を及ぼす項目と考えられ、一方で財務上のシナジーは割引率に影響を及ぼす項目と考えられる。

株価算定

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