2012年1月21日土曜日

株価算定におけるインカム・アプローチ適用上の留意点

株価算定におけるインカム・アプローチ適用上の留意点
株価算定法を適用するに当たって考慮すべき点を列挙する。

1.将来キャッシュ・フロー等の予測の際の仮定 将来のキャッシュ・フロー等を予測する際におかれる各種の仮定は矛盾しないものでなくてはならない。
株価算定の前提とする仮定を明示し、それらを積み上げることによっ て株式評価に必要な一連の予測値が得られるので、仮定の一つが矛盾する場合には、予測値は全体として説明がつかないものとなる。また、複数の方法を適用し、結果 として計算される価値の差が、どのような仮定の相違から生じているのか検討することにより、有用な示唆が得られる場合がある。

2.将来キャッシュ・フロー等の予測期間
将来無限にわたるキャッシュ・フロー等を正確に予測することは不可能であるため、実務においては、ある時点以降のキャッシュ・フロー等については単純な仮定をおいて終価を計算する。その場合に、予測期間をどの程度の長さにするかが問題となるが、この長さは終価の計算において利用する単純化の仮定が肯定できるよう に、企業が何らかの定常的な状態にいたるまでの期間とするべきである。

3.加重平均資本コストにおけるウェイト
加重平均資本コストにおけるウェイトは、負債価値と株主資本価値によって計算される。その決定方法には、目標とする資本構成を参考にする方法や事業価値とウェイトを同時決定する方法がある。後者は、ウェイトに利用する株主資本価値と評価価値である株主資本価値を整合的なものにする方法である。エクセルの関数の設定で対応可能です。

4.評価過程における負債価値
株価算定の過程において負債価値を利用する際に、簿価をもって時価に置き換えるケースがあるが、倒産可能性が高い場合には、簿価と時価の乖離幅が大きい。その場 合には、実質的な負債価値を検討する必要がある。
また、調整現在価値法などにおいて、負債水準が大きく変動することを想定する場合には、倒産可能性に配慮してその期待コストを評価に織り込む必要がある。

5.資本構成の変化
資本構成の変化は、財務リスクの変化を生じて株主資本コストを変化させる。それゆえ、将来における資本構成の変化が予想される場合には、株主資本コストに反映する必要がある。

6.非事業資産が存在する場合の加重平均資本コストの計算
非事業資産が存在する場合には、加重平均資本コストの計算において、これを考慮する必要がある。

7.オプション理論
リアルオプションとは、金融オプションの評価技法を実物投資に応用するもので ある。経営においては、時間の経過とともに多様な不確実性が解消し、戦略的な意思決定をすることが可能となる。このような企業経営における柔軟性は、重要なオプション価値を有する場合があり、これを適切に評価しないと事業価値あるいは株 主価値を過小評価する場合がある。保有するオプションは、利益あるいはキャッシ ュ・フローを適切に予測すれば、推定される事業価値あるいは株主価値に含まれる はずであるが、可能な場合にはリアルオプションそのものの価値を評価することを検討するべきである。

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